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【広島市の中3英語は全国平均を下回る結果に】「単語を覚える」だけでは長文が読めない理由【安佐南区】
こんにちは、完全個別指導塾オールウェイズです。
本日10月29日、広島市教育委員会の定例会で、令和8年度の全国学力・学習状況調査の結果について報告が行われました。
今回の調査は市内の小学6年生と中学3年生を対象に実施され、中学校では国語・数学・英語が調査されています。
結果を見ると、広島市の中学3年生は、国語が64%で全国63.9%、数学が57%で全国57.0%と、いずれも全国とほぼ同程度でした。
一方で少し気になったのが英語です。
今年度の中学校英語は従来の単純な平均正答率ではなく、問題の難易度などを考慮して学力を推定する「IRTスコア」で示されています。
「聞くこと・読むこと・書くこと」の3技能で、全国が499、広島県が492、広島市が488という結果でした。
もちろん、これだけを見て「広島市の中学生は英語が苦手だ」と単純に決めつけることはできません。
一つの調査の平均値ですし、学校によっても生徒によっても状況は違います。
ただ、普段中学生の英語を見ている立場としては、少し考えさせられる数字でした。
英単語を覚えているのに、文章になると読めない
ちょうど先日のブログで、中3の関係代名詞について書きました。
thatという単語一つを見ても、「あれ・それ」という意味だけではありません。
中2では接続詞のthatが登場し、中3では関係代名詞のthatも出てきます。
だから長文を読むときには、「thatって何て訳すんだっけ?」だけでは足りません。
このthatは、この文の中で何をしているのか。
そこまで見る必要があります。
私はそのとき、デュエマや遊戯王の手札に例えました。
使える知識という手札は多い方がいい。
ただ、手札をたくさん持っているだけでは勝てなくて、今の状況でどのカードを使うのか判断しないといけない。
英語もかなり似ています。
単語を500個知っている、1000個知っている。それはもちろん大切です。
でも、その単語が文の中でどんな役割をしているか分からなければ、長文になると急に読めなくなります。
全国学力調査の英語も「知っているか」だけを見るテストではない
今回の全国学力・学習状況調査でも、英語は単なる単語テストではありません。
文部科学省の調査では、知識・技能だけでなく、それらを実生活のさまざまな場面で活用する力や、課題を解決するために考え、表現する力も見ることになっています。
中学校英語についてはICT端末を使ったCBT方式で、「聞くこと」「読むこと」「書くこと」、さらに別期間で「話すこと」も実施されています。
つまり、英単語を覚えています。文法問題も解けます。だけではなく、実際の文章や会話の中で使えるか。まで見られます。
高校入試も同じです。
学校の定期テストなら、今ちょうど関係代名詞を習っているので、「これは関係代名詞の問題だな」と分かった状態で問題を解けることがあります。
でも入試の長文では、そんな親切な表示はありません。
不定詞も出てくる。
接続詞も出てくる。
関係代名詞も出てくる。
過去形も現在完了も混ざります。
そこで、「この英文はどういう構造になっているんだろう」と自分で判断しなければいけません。
中1からずっと「主語と動詞」を言っている理由
先日の英語の授業では、中1・中2・中3の全学年を教える日がありました。
中1は疑問詞の文や人称代名詞、中2は不定詞、中3は関係代名詞。
内容だけ見ると全部違います。
それでも、私は全学年に同じことを言っていました。
主語はどれ?
動詞はどれ?
目的語はどれ?
ここです。
中1の生徒からすると、「そんなの簡単じゃん」と思うかもしれません。
でも中3になって長文が読めなくなったとき、結局ここへ戻ってきます。
どこまでが主語なのか分からない。
動詞がどれなのか分からない。
途中に関係代名詞や不定詞が入って、文の骨組みを見失う。
そうなると、知っている単語を左から順番に日本語へ変換する読み方になってしまいます。
それでは文章が少し長くなっただけで苦しくなります。
だから中1のうちから、私は文の要素を見ることをかなり大切にしています。
人称代名詞も「暗記表」で終わらせない
例えば中1で習う人称代名詞もそうです。
I、my、me、mine。
he、his、him、his。
学校では表にして覚えることが多いと思います。
もちろん覚えなければいけません。
ただ、私はそれだけではなく、「なぜここはheじゃなくてhimなの?」と聞きます。
日本語で「彼」と訳せるから、どちらでもいいわけではありません。
文の中で主語として使うのか、目的語として使うのかによって形が変わる。
つまりここでも、単語の日本語訳だけではなく役割を見る必要があります。
それが中2、中3へ進んだときに効いてきます。
英語は学年ごとに新しい文法を別々に習っているように見えますが、実際にはかなりつながっています。
英語が苦手になったら、「今の単元」だけ見ない
英語で成績が落ち始めると、「今回の関係代名詞が分からないから、関係代名詞をたくさん練習しよう」となりがちです。
それで解決する場合もあります。
ただ、関係代名詞が分からない原因が、実は中1の文構造にあることもあります。
主語と動詞が分からない。
目的語が分からない。
be動詞と一般動詞の違いが曖昧。
人称代名詞の使い分けも何となく。
その状態で関係代名詞だけ覚えようとしても、かなり苦しいです。
これはオールウェイズが「必要なら前の学年まで戻る」理由でもあります。
中3だから中3の教材しかやらない、とは考えていません。
中3でつまずいている原因が中1なら、中1へ戻ります。
その方が結果的には早いことも多いです。
広島市の488という数字だけを追いかけても意味はない
今回、広島市の中3英語の平均IRTスコアは488で、全国の499を下回りました。
ただ、私はこの「11」という差そのものを大げさに扱いたいわけではありません。
そもそもIRTスコアは通常の100点満点のテストとは違います。「全国より11点低いから、そのまま何問分できていない」という見方をする数字でもありません。
大切なのは、こうした調査結果を見たときに、「英語をもっと勉強させないと」だけで終わらないことだと思います。
どこで止まっているのか。
単語なのか。
文法なのか。
聞き取りなのか。
文章の構造なのか。
そもそも英語を使う量が足りないのか。
原因によってやることは違います。
これは全国平均でも、定期テストの平均点でも同じです。
平均は参考にはなりますが、目の前の生徒を教えてくれるわけではありません。
結局、見るべきなのは目の前の一人
全国学力調査には大きな意味があります。
全国や地域全体で、どこに成果があり、どこに課題があるのかを知ることができます。
実際、今回の調査の目的にも、結果を教育施策や学校での指導改善につなげることが挙げられています。
でも塾で私が最後に見るのは、広島市の488ではありません。
目の前の一人です。
その生徒はthatを見たときに何を考えているのか。
長文になるとなぜ止まるのか。
単語を知らないのか、それとも知っているのに文章として読めないのか。
そこを見ます。
そして必要なら中3でも中1へ戻る。
逆に十分理解できているなら、学校より先の内容や入試問題へ進む。
完全個別1対1でやっている意味は、こういうところにあると思っています。
英語は積み上げ教科だからこそ、土台をごまかさない
今日、広島市の全国学力・学習状況調査の結果が教育委員会で報告されたのを見て、改めて最近の授業を思い返しました。
中1で主語と動詞を見る。
中2になって不定詞が加わる。
中3になって関係代名詞が加わる。
知っている単語にも新しい役割が増えていく。
英語は、学年が変わるたびに以前の内容を捨てて、新しいことを覚える教科ではありません。
今まで習ったものを手札として持ちながら、新しいカードを一枚ずつ増やしていく教科です。
だから土台が抜けたまま先へ進むと、どこかでかなり苦しくなります。
逆に言えば、途中で英語が苦手になっても、どこで手札を落としてきたのか探して戻ればいい。
今回の全国学力調査の数字も、「広島の英語は大変だ」で終わらせるのではなく、普段の授業で何を大切にすべきか考える材料として見ていきたいと思います。
オールウェイズではこれからも、単語の数だけでも、テストの点数だけでもなく、実際に英文を自分で読めるところまでを大切にしていきます。



