不登校生サポート

【不登校の子は「昼夜逆転」している?】4,061件のデータから考える、決めつけない不登校支援【安佐南区】

こんにちは、完全個別指導塾オールウェイズです。

 

今日は、不登校について少し気になる調査を取り上げます。

不登校の子どもについて、「夜遅くまで起きていて、朝起きられない」「生活リズムが昼夜逆転している」というイメージを持つ方は少なくないと思います。

実際、それが当てはまる子もいますし、生活リズムを整えることが大切なケースも当然あります。

 

ただ、先日公表された調査を見ると、少なくとも「不登校の子はみんな昼夜逆転している」と考えるのはかなり違いそうです。

不登校支援を行うスダチが、2024年12月から2026年7月までに無料相談を利用した家庭4,061件のヒアリングデータを集計したところ、同社が「昼夜逆転」と分類したケースは1割未満でした。

また、0時以降に就寝する割合を一般の児童生徒と比較すると、中学生では一般22.0%に対して不登校29.8%、高校生では一般47.0%に対して不登校54.0%で、差はそれぞれ7〜8ポイント程度だったとしています。

この数字を見て、私は「やっぱり、不登校を一つの分かりやすい原因や特徴でまとめない方がいい」と改めて思いました。

 

夜ではなく、「朝」に違いが出ていた

今回の調査で特徴的だったのは、就寝時刻そのものよりも起床時刻の方だったそうです。

夜は一般の子どもと極端に違うわけではない。

 

一方で、不登校の子どもでは朝の起床時刻が遅くなる傾向が見られたと報告されています。

ここは少し考えてみる必要があります。

学校へ毎朝決まった時間に行く子には、当然「この時間までに起きる」という外側からの予定があります。

 

でも学校へ行けない、あるいは行かない状態が続けば、その予定自体がなくなります。

そうなると、夜遅くまで起きているから朝起きられない、という一方向だけではなく、朝起きなければならない理由がなくなったことで起床時刻が後ろへずれている可能性もあります。

もちろん、今回の調査だけで個々の子どもの原因まで分かるわけではありません。

ただ、同じ「朝起きられない」という現象でも、その背景は一人ひとり違うということは考えておきたいところです。

 

この調査だけで「不登校の実態」が全部分かるわけでもない

ここは大事なので書いておきます。

今回の4,061件は、全国の不登校児童生徒から無作為に選ばれた調査ではありません。

不登校支援サービスへ相談した家庭のヒアリングデータです。

そのため、相談に至っていない家庭や、別の支援を利用している家庭まで含めた「日本の不登校児童生徒全体」をそのまま代表する数字とは言えません。

 

ですから、「不登校の子は昼夜逆転していない」と逆に断定するのも違います。

この調査から考えたいのは、もっとシンプルなことです。

私たちが持っている“不登校の子はこういう状態だ”というイメージは、本当にその子本人に当てはまっているのか。

そこを一度確かめる必要があるということです。

 

「朝起きれば学校へ行ける」とも限らない

生活リズムについては、どうしても目に見えやすいです。

朝起きられない。夜遅くまでスマホを触っている。昼まで寝ている。

すると大人としては、「まず生活リズムを直そう」と言いたくなります。

それ自体が間違っているわけではありません。

文部科学省も、中高生を中心に睡眠リズムや生活習慣を整えることの重要性を啓発しており、睡眠は心身の状態や日中の活動とも関係します。

ただ、順番を間違えると苦しくなる子もいると思います。

学校へ行くことに強い不安があるのに、「朝起きられないから学校へ行けないんだ」と考えて、起床時刻だけ直そうとする。

人間関係で困っているのに、生活習慣だけの問題として扱う。

勉強が分からなくなって学校へ行きづらくなっているのに、「夜更かしをやめれば大丈夫」と言う。

原因が別のところにあるなら、それだけでは解決しません。

むしろ本人からすると、「そこじゃないんだけどな」と感じるかもしれません。

 

同じ「不登校」でも、本当に一人ずつ違う

オールウェイズでも、学校へ行きづらい生徒や通信制高校の生徒と関わることがあります。

そこで大切にしたいのは、「不登校」という言葉だけでその子を見ないことです。

同じように学校へ行っていない状態でも、勉強はどんどん進めたい子もいます。

今は勉強より生活を整えることの方が先の子もいますし、人と話すことには困っていないけれど学校という集団の中にいることがしんどい子もいます。

 

逆に、本人が学校へ戻りたいと思っているケースもあれば、通信制高校や別の学び方を前向きに考えた方がいい場合もあります。

全部違います。

だから私は、「不登校の子にはこれをすればいい」という一つの方法にはあまり期待していません。

まず、その子は今どんな状態なのか。

何ならできるのか。

何が負担になっているのか。

本人は今後どうしたいと思っているのか。

そこから考える方が自然だと思っています。

 

勉強も同じで、表面だけでは原因が分からない

これは不登校に限った話ではありません。

例えばテストで30点だった生徒が二人いたとしても、原因は同じとは限りません。

そもそも単元を理解できていないのかもしれない。

理解はしているけれど勉強量が足りなかったのかもしれない。

ワークは何周もしたけれど答えを覚えてしまっていたのかもしれないし、計算ミスが大量に出たのかもしれません。

結果だけ見れば、どちらも30点です。

 

でも、その後にやるべきことは違います。

不登校も同じなんだと思います。

「学校へ行っていない」という結果は同じでも、そこへ至った過程も、今困っていることも、一人ひとり違う。

だから、見える現象だけですぐに原因を決めない。

教育ではこの姿勢がかなり大切だと思っています。

 

「昼夜逆転しているから不登校」なのか、「不登校だから朝起きなくなった」のか

ここも簡単には分けられません。

生活リズムが崩れ、それによって朝起きられなくなり、登校しづらくなることもあるでしょう。

一方で、学校へ行けなくなった結果として朝起きる理由がなくなり、生活リズムが後ろへずれることもあるはずです。

さらに両方が影響し合っている場合もあります。

人間のことなので、「これが原因です」と一本の線で説明できることばかりではありません。

それなのに大人側が先に答えを決めてしまうと、本人が本当に困っているところから離れてしまうことがあります。

私は不登校についてだけでなく、成績不振や勉強嫌いについても同じように考えています。

「やる気がないから」

「スマホを触っているから」

「勉強時間が少ないから」

 

確かにそれも一部分かもしれません。

でも、本当にそこだけなのか。

分からないことが増えすぎて、机に向かうのが嫌になっている可能性もあります。勉強しても結果が出なかった経験が続いて、最初から諦めるようになったのかもしれない。

表面に出ている行動だけで判断しないことは、かなり大事です。

 

できるところから、もう一度つなぎ直す

オールウェイズでは「学力再生」という言葉を使っています。

これは、ものすごい成績を取らせるという意味ではありません。

一度分からなくなったなら、分かるところまで戻る。

勉強習慣がなくなったなら、まず短い時間から始める。学校へ行けていないなら、その中で今できる学び方を考える。

今の状態を責めるより、ここから何ならできるかを探す。

私はその方が前へ進みやすいと思っています。

今回の調査も、「不登校の子は実は生活リズムが乱れていません」という話ではありません。

 

むしろ、私たちが何となく持っているイメージだけで、その子を説明してはいけない。

そう考える材料になる調査だと思います。

「不登校だから昼夜逆転しているだろう」「朝起きないから学校へ行けないんだろう」と先に決めるのではなく、その子自身を見る。

その上で生活リズムを整える必要があるなら一緒に整えればいいし、勉強が問題なら学び直せばいい。

学校との関係、人間関係、心身の状態など別のところに困りごとがあるなら、そこを考えなければいけません。

一人ひとり違うから、対応も一人ひとり違っていい。

個別指導をしていると当たり前に感じることですが、不登校についても同じだと思っています。