保護者向け・コラム(豆知識)
【小中学生の約7割は「本が好き」。でも7割以上が週1時間未満】読書離れを「本嫌い」で片づけたくない
こんにちは、完全個別指導塾オールウェイズです。
今日は読書の話です。
先日、博報堂教育財団こども研究所が「子どもの読書」に関する調査結果を発表しました。
全国の小学4年生から中学3年生までの1,200人を対象にした調査で、「本を読むことが好き」と答えた子どもは69.3%。
約7割です。
これだけを見ると、「意外とみんな本好きなんだな」と思います。
ところが、読書時間を見るとちょっと様子が変わります。
1週間に本を「全く読まない」が17.4%。「1時間未満」が55.2%。つまり合わせると、72.6%の子どもが、週に1時間未満しか本を読んでいません。
私はこの、「好きだけど、やっていない」という結果がすごく面白いと思いました。
「読まない=本が嫌い」ではなかった
子どもの読書離れという話になると、「最近の子は本を読まない」「スマホばっかり」と言われがちです。
まあ実際、動画やゲームは強いです。
今回の調査でも、「本を読むのは楽しい」と感じている子が63.9%いる一方で、「本を読むより動画やゲームのほうが楽しい」と答えた割合は76.5%でした。
しかも、本が「大好き」な子どもですら、51.0%は動画やゲームの方が楽しいと答えています。
そりゃ強いです(笑)
YouTubeを開けば数秒で面白いものが始まる。
ゲームならすぐ遊べる。
SNSも次から次へと新しいものが出てくる。
それに比べると、本は最初の数ページでまだ何も起こらなかったりする。
読む側にも少しエネルギーがいります。
だから、「本を読んでいない=読書が嫌い」ではなく、
好きだけど、他のものに時間を取られている。
という子が結構いるんだと思います。
これ、勉強でも同じようなことがあります
塾で生徒を見ていると、「この子は勉強嫌いなんだな」と思いそうになる場面があります。
自習しない。
宿題が進まない。
家では全然勉強していない。
でも話してみると、「数学は結構好き」「英語できるようになりたい」「点数は上げたい」と言う。
じゃあ、なんでやらないの?となりますが。
でも、別に嘘をついているわけではないんです。
勉強したい気持ちはある。
できるようにもなりたい。
ただ、始めるまでが重い。
何をやればいいか分からない。
スマホを触ったら30分経っていた。
机に座ったけど、教材を出すところで止まった。
難しい問題が一個出てきて、そのまま終わった。
こういうことが普通にあります。
だから最近は特に、「やっていない」という結果だけで、その子の気持ちまで決めつけない方がいいと思っています。
読書でも「きっかけ」がかなり大きい
今回の調査でも、面白い数字がありました。
実際に本を読んでいる子どもが「読む本を知るきっかけ」として一番多く挙げたのは、学校の図書室の55.5%でした。
本屋が48.6%、学校の教室にある本棚が34.1%。
動画が25.0%、アニメ・ゲーム・テレビ・映画も20.9%ありました。
つまり、「本を読みなさい」と言うこと以上に、本と出会う場所があることが大事なのかもしれません。
たまたま図書室で表紙が目に入った。
好きなアニメの原作を知った。
友達が読んでいた。
先生が紹介した。
そういう小さなきっかけから読み始めます。
これも勉強とよく似ています。
勉強も「やる気」より先に、始めやすい環境を作る
私は「本人のやる気」はもちろん大切だと思っています。
ただ、それだけに頼るのはかなり危険です。
大人だってそうです。
私も、「今日はこれをやろう」と思っていたのに、気づいたら別のことをやっています。
最近だと「ちょっとWAYSを触ろう」と思ったら普通に夜中になっています(笑)
人間はそんなに意思が強くありません。
だからオールウェイズでも、
何をやるかを先に決める。
自習室へ来る。
今日の課題が見える。
記録を残す。
分からなければすぐ質問できる。
そういう、「始めるまでの障害を少しずつ減らす」ことをかなり意識しています。
読書も同じなのかもしれません。
「毎日30分読書しなさい」と最初から時間を決めるより、面白そうな本を手の届くところに置く。
漫画からでもいい。
好きなスポーツの本でもいい。
ゲームの攻略や制作の本でもいい。
そこから入ったって、私は全然いいと思います。
今回の調査でも、対象となる「本」には小説だけではなく、漫画、学習漫画、図鑑、雑学の本、スポーツやゲームなどのやり方・作り方の本まで含まれています。
まず読む。
そこからでいいです。
保護者が読んでいる家庭ほど、子どもも本を好きだった
もう一つ、なかなか考えさせられる数字があります。
保護者が週1時間以上読書する家庭では、「本を読むことが好き」と答えた子どもが91.8%でした。
一方で、保護者が読書をしない家庭では36.3%。
もちろん、この調査だけで「親が読めば子どもも必ず本好きになる」と因果関係まで断定はできません。
ただ、家庭の読書環境と子どもの読書への好意にかなり大きな関連が出ています。
これを見ると、「本を読みなさい」と言うことと、親自身がソファで本を読んでいることでは、子どもから見えるものが結構違うのかもしれません。
……これを書きながら、私も生徒に「勉強しろ」と言いながらスマホばっかり触っていたら説得力ないなと思いました。
まあ私の場合、そのスマホでWAYSを直していることもありますので、一応言い訳しておきます(笑)
中学生になると、本から離れやすくなる
今回の結果では、小学生で「本が好き」と答えた割合は72.8%、中学生では65.8%。
1週間に全く本を読まない割合も、小学生では12.8%なのに対し、中学生では22.0%まで増えています。
中学生になると忙しくなります。
本を読む優先順位が落ちるのも分かります。
ただ、国語の指導をしていると、文章を読むことへの抵抗感の差はかなり感じます。
長い文章が出た瞬間、「うわ、長っ」となる生徒。
とりあえず読み始める生徒。
この差は意外と大きいです。
読書をすれば国語の成績が自動的に上がる、なんて単純な話ではありません。
ただ、文章を読む。頭の中で場面を作る。知らない言葉に出会う。前後から意味を考える。筆者が何を言いたいのか追う。
こういう経験が積み重なることには、やっぱり意味があります。
「やらない理由」を、すぐ「嫌い」にしない
今回の調査を見て、私が一番残ったのはここでした。
好きでも、やらないことはある。
本が好きでも読まない。
勉強ができるようになりたいのに勉強しない。
スポーツが好きなのに練習へ行くのが面倒な日もある。
大人だって、痩せたいのに食べる。
早く寝たいのにスマホを見る。
だから、「この子はやる気がない」で終わらせる前に、
何が邪魔をしているんだろう。
始めるまでに何が重いんだろう。
どんな入口なら入りやすいんだろう。
そこを考えたいと思っています。
読書も勉強も、「やれ」と言い続けることだけが方法ではありません。
自然と手を伸ばしやすい環境を作ること。
案外、そこから変わることもあるのかもしれません。



