数学
中学生向け
【一次関数でつまずく原因は「傾き」ではないかも】数学で大切な「数の距離感」を身につけよう【中2数学】
こんにちは、完全個別指導塾オールウェイズです。
中学2年生の数学では、一次関数を学習します。
その中で、2点の座標から直線の傾きを求める問題があります。
例えば2点の座標が与えられたら、それぞれの x 座標と y 座標を使って、yの増加量 ÷ xの増加量から傾きを求めます。
公式自体はそれほど難しくありません。
ところが実際に生徒の様子を見ていると、ここで止まっている原因が「一次関数を理解していないから」とは限らないことがあります。
特に、
−2から7はいくつ増えた?
−7から−2はいくつ増えた?
5から−3はいくつ変化した?
となった瞬間、急に手が止まる生徒がいます。
これは一次関数より前の、「数と数の距離感」がまだ十分に身についていない可能性があります。
−2から7は「5」ではなく「9」
例えば、−2から7まで、いくつ増えたでしょうか。
答えは9です。
でも、負の数が入った途端に、「7−2だから5?」となることがあります。
頭の中に数直線があれば分かりやすいです。
−2からスタートして、−1、0、1、2、3、4、5、6、7。
右へ9進みます。
だから増加量は、+9です。
同じように、−7から−2なら、右へ5進むので+5。
5から−3なら、左へ8進むので−8です。
ここで大切なのは、単純に二つの数字だけを見るのではなく、「どこから、どこへ動いたのか」をイメージできることです。
0をまたぐと急に分からなくなる
特に苦手な生徒が止まりやすいのが、0をまたぐ場合です。
例えば、−4から3なら、−4から0まで4。
0から3まで3。
合わせて7です。
数直線なら当たり前に見えます。
ところが数字だけで、「3−(−4)」と出てくると急に分からなくなる。
もちろん最終的には、3-(-4)=3+4=7と計算できる必要があります。
でも、計算ルールだけを覚えていて、「なぜ7なのか」の感覚がないままだと、少し問題の形が変わっただけで迷いやすくなります。
私はここで、計算だけできればいいとは思っていません。
数学では「数の大きさ」をイメージできることが大切
以前から授業でよく感じるのですが、数学が得意になるうえで、数の大きさをイメージできることはかなり大切です。
例えば割り算です。
483÷8という計算をしたとき、答えが「6」になった。
あるいは「600」になった。
計算手順だけを追っていると、その答えをそのまま書いてしまうことがあります。
でも、「480くらいを8で割るなら、だいたい60くらいだな」という感覚があれば、「6は小さすぎる」「600は大きすぎる」と気づけます。
数学では、正確に計算する力だけではなく、答えのおおよその大きさを予想する力も重要です。
計算ミスを自分で発見するためのセンサーになります。
それと同じくらい「数の距離感」も大切
そして一次関数を教えていて改めて感じるのが、数の距離感も同じくらい大切ということです。
−2と7は、どのくらい離れているのか。
−7と−2は近いのか遠いのか。
5から−3へ移動するなら、右なのか左なのか。
こうした感覚です。
ただし、一次関数では「距離」だけでは足りません。
距離だけなら、5から−3までは8です。
でも傾きを求めるときには、5から−3へ変化したので「−8」と、方向まで必要になります。
だから一次関数では、距離+方向を考えることになります。
「どれだけ離れているか」と「増えたのか減ったのか」両方が見えていることが大切です。
傾きの公式を覚えても、ここが弱いと間違える
例えば2点、(2,-2),\ (5,7)を通る直線があるとします。
xは、2から5なので+3。
yは、−2から7なので+9。
したがって傾きは、9÷3=3です。
ところが、−2から7への変化を正しく捉えられないと、傾きの公式を覚えていても計算できません。
つまり、「一次関数が苦手だから、一次関数をもっと練習しよう」だけでは解決しないことがあります。
必要なのは、中学1年生の最初に習った、正の数・負の数まで戻ることかもしれません。
中2でも、中1の最初まで戻っていい
オールウェイズでは、学年だけを見て指導内容を決めません。
中学2年生だから、絶対に中2の問題だけをやる。
中学3年生だから、今さら中1には戻らない。
そんなことはありません。
今の単元ができない原因が一年前にあるなら、そこへ戻った方が早いです。
今回の一次関数なら、傾きの意味は分かっている。
座標も読める。
公式も覚えている。
でも、負の数を含む増加量になると分からない。
それなら、一次関数の問題を50問解くより、
中1の「正の数・負の数」を一度やり直した方がいい。
私はそう考えます。
一見遠回りに見えますが、実際はこちらの方が近道です。
分からないなら、数直線を書けばいい
では、数の距離感がまだ身についていない場合はどうするか。
まず一番簡単なのは、数直線を書くことです。
例えば−7から−2なら、−7、−6、−5、−4、−3、−2と実際に書く。
右へ5進んでいる。
だから+5。
5から−3なら、−3、−2、−1、0、1、2、3、4、5と書いてみる。
5から−3へ向かうなら左へ8。
だから−8。
「こんなの毎回書くのは面倒」と思うかもしれません。
それでいいんです。
最終的には、頭の中に数直線を作る
ずっと紙に数直線を書き続けることが目標ではありません。
最終的には、頭の中に数直線が浮かぶようになることが目標です。
でも、頭の中にないものを、「イメージしなさい」と言っても無理があります。
最初は実際に書く。
何度も書く。
−5は0より左。
3は0より右。
−2から4なら0をまたぐ。
−7から−3ならどちらも負だけれど右へ進む。
これを繰り返す。
すると少しずつ、紙に書かなくても頭の中で位置関係が分かるようになります。
見えないなら、まず見える形にする。
数学ではかなり大切なやり方です。
「マイナスだから減る」でもない
ここでもう一つ注意したいところがあります。
負の数が出てくると、「マイナスだから減っている」と思ってしまう生徒もいます。
でも、−7から−2は、どちらも負の数ですが、数としては増えています。
−7より−2の方が大きいからです。
逆に、2から−5なら減っています。
「数字にマイナスがついているか」ではなく、数直線上で右へ動いたのか、左へ動いたのかで考えます。
右なら増加。
左なら減少。
この感覚があると、一次関数の増加量もかなり分かりやすくなります。
2点の順番はそろえる
傾きを求めるときには、もう一つ大切なことがあります。
例えば2点A、Bがあるなら、xについてAからBへ。yについてもAからBへ。と、向きをそろえることです。
xはA→Bなのに、yだけB→Aにしてしまえば符号が変わり、正しい傾きになりません。
逆に、両方ともB→Aにしても傾きは同じになります。
ここでも結局、「どの数から、どの数へ動いているか」が見えていることが重要です。
公式だけ暗記するより、座標平面上で点から点へ移動していると考えた方が理解しやすくなります。
数学で「感覚」はかなり大切
数学というと、公式を覚える。計算方法を覚える。正確に答えを出す。というイメージがあります。
もちろん全部必要です。
でも、数学が得意な生徒を見ていると、「この答えは大きすぎる」「たぶんこの辺になる」「こっちに動くからマイナスになる」という数に対する感覚をかなり持っています。
その感覚があるから、計算を間違えたときにも自分で気づけます。
逆に、その感覚がないと、計算手順そのものは合っているつもりでも、明らかにおかしな答えをそのまま提出してしまうことがあります。
数の大きさ。
数と数の距離。
正負の方向。
0との位置関係。
こういう基本的な感覚は、中学校・高校と数学が難しくなるほど重要になります。
今の単元だけを見ない
一次関数で傾きが求められない。
だから傾きの問題をもっとやる。
もちろん、それで解決する場合もあります。
でも何度やっても同じところで間違えるなら、一度、「本当に一次関数が原因なのか?」と考えてみてください。
−2から7への変化がすぐ分かるか。
−7と−2ではどちらが大きいか。
5から−3へどちら向きに進むか。
このあたりが怪しければ、まず中1の正の数・負の数です。
できないところまで戻るのではなく、できなくなったところまで戻る。
オールウェイズでは、この考え方を大切にしています。
学年が進んだからといって、土台が自動的に完成するわけではありません。
土台に少し穴が残ったまま、その上へ一次関数、連立方程式、図形、高校数学と積み上げれば、いずれ苦しくなります。
だから必要なら戻ります。
そして数の距離感がまだ曖昧なら、まず数直線を書いてください。
慣れるまで、何本でも書けばいい。
そのうち紙の上に書いていた数直線が、頭の中に一本できるようになります。
そこまでいけば、一次関数だけではなく、この先の数学でもかなり役に立ちます。
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