英語
【高校生の英検受験者が142万人に!】「英検を取ること」が目的になっていませんか?
こんにちは、完全個別指導塾オールウェイズです。
今日は、最近の教育ニュースから一つ取り上げます。
日本英語検定協会が公表した「統合報告書2026」によると、2025年度の高校生の英検受験者数は約142万人となりました。
さらに、高校卒業時の英検2級以上の取得者数は約19万2千人。
2016年と比べると、約2.5倍に増えています。
高校卒業時の2級以上取得率も20%まで上がったと報告されています。
かなり大きな変化です。
英検が、一部の英語が得意な生徒だけが受ける試験ではなくなってきていることを感じます。
中学生でも、
「英検を受けたい」
「高校までに準2級を取りたい」
という話は珍しくありません。
高校生になれば、2級や準1級を意識する生徒も増えてきます。
私は、こうした流れ自体は良いことだと思っています。
ただ同時に、一つ気をつけてほしいことがあります。
英検に合格することと、英語ができるようになることは、完全に同じではありません。
今日は、英検が身近になっている今だからこそ考えたい、「英検との付き合い方」について書きます。
高校生の86%が英検を受験した経験
今回の報告では、高校卒業までに「英検テストファミリー」を受験した経験がある生徒は86%とされています。
つまり、英検はかなり身近な存在になっています。
英検協会は、英語教育改革や大学入試での外部検定活用などを背景として、上位級へ挑戦する高校生が増えているとしています。
2025年度には準2級と2級の間に「準2級プラス」も新設されました。
準2級から2級への距離を埋める一つの目標ができたことで、
3級
→準2級
→準2級プラス
→2級
と段階的に目標を設定しやすくなっています。
目標があることは、勉強を続けるうえで大きなメリットです。
「英語を頑張る」だけでは曖昧ですが、「次の英検で3級を取る」なら、何を勉強するのかがかなり具体的になります。
英検の良いところは「今の位置」が分かること
私は、検定試験を使う一番のメリットは、学習に区切りを作れることだと思っています。
学校の英語は、授業がどんどん進みます。
定期テストが終われば、次の単元へ進む。
次のテストが終われば、また次へ進む。
そのため、「結局、自分は英語がどのくらいできるようになったのか」が分かりにくくなることがあります。
一方、英検なら、
5級。
4級。
3級。
準2級。
準2級プラス。
2級。と、次の目標が見えます。
合格すれば、「ここまではできるようになった」という一つの区切りになります。
不合格だったとしても、技能別のスコアを見ることで、
読む力なのか。
聞く力なのか。
書く力なのか。
どこに課題があるのかを確認できます。
これは勉強を続けるうえで、とても使いやすい仕組みです。
でも、「英検用の英語」だけになってはいけない
ここからが大切です。
英検を目標にすると、「合格するための勉強」に集中しすぎることがあります。
頻出単語を覚える。
問題形式を覚える。
過去問を繰り返す。
選択肢の切り方を練習する。
もちろん、試験を受ける以上、対策は必要です。
ただ、それだけになってしまうと、資格は持っているけれど、英語そのものの理解が曖昧ということも起こります。
たとえば英検3級に合格していても、be動詞と一般動詞の違いを説明できない。
疑問文を自分で作ると語順が崩れる。
知っている単語なのに、文章になると読めない。
ということはあり得ます。
英検の級だけを見て、「この生徒は中学英語が全部できている」とは判断できません。
合格した級と、学校の成績が一致しないこともある
これは保護者の方にも知っておいてほしいところです。
「英検〇級を持っているのに、学校の英語の点数が取れない」ということはあります。
不思議に感じるかもしれませんが、試験で求められているものが完全に同じではないからです。
学校の定期テストでは、
教科書本文。
授業で扱った文法。
学校で配られた単語や熟語。
先生独自の出題。
英作文。
などが含まれます。
一方、英検には英検の出題形式があります。
もちろん重なる部分は非常に多いのですが、英検が取れた=学校のテストも必ず取れるではありません。
逆もあります。
学校の定期テストでは高得点だけれど、初めて見る長文やリスニングでは苦戦する。
それなら、英検を利用して学校外の英語力を確かめる意味があります。
どちらが上という話ではなく、違う角度から英語力を測っていると考えた方がよいと思います。
英検は「ゴール」ではなく「チェックポイント」
私は英検を、英語学習のゴールではなく、途中のチェックポイントとして使うのが一番良いと思っています。
たとえば中学生なら、「3級に合格した。終わり!」ではなく、「3級レベルまではできるようになった。では次は何が足りない?」と考える。
2級に合格した高校生も、「2級を取ったから英語完成」ではありません。
大学入試では、さらに長い英文を読みます。
文章の論理関係を追います。
語彙も増えます。
英作文もあります。
共通テストでは、大量の情報を短時間で処理する必要があります。
英検は、その途中にある確認地点の一つです。
合格より「何ができるようになったか」を見る
これは最近のブログで何度も書いていることにもつながります。
勉強では、「何を終えたか」だけではなく、何ができるようになったかを見ることが大切です。英検でも同じです。
合格証書をもらうことは嬉しいです。
でも、その過程で、
以前より単語が読めるようになった。
英文を前から読めるようになった。
リスニングで聞き取れる文が増えた。
自分の意見を英語で書けるようになった。
面接で自分の言葉を出せるようになった。
こちらの方が、長い目で見ると重要です。
級は結果です。
本当に残したいのは、その級を取るまでに身につけた力です。
英検対策でも、文法の土台を飛ばさない
オールウェイズで英語を指導するときも、英検の問題だけを大量に解かせればよいとは考えていません。
たとえば長文が読めない生徒。
すぐに長文問題を何十題も解かせるのではなく、なぜ読めないのかを確認します。
単語なのか。
文法なのか。
語順なのか。
主語と動詞を見つけられていないのか。
接続詞の前後の関係が分からないのか。
原因によって、戻る場所は違います。
昨日の記事では、「同じ・似ている・違う」を使って知識を整理する話を書きました。英語も同じです。
助動詞を一個ずつ丸暗記するのではなく、同じグループとして整理する。
be動詞と一般動詞は、似ている部分と違う部分を整理する。
現在形と過去形を比較する。
比較級と最上級をつなげて考える。
こうした土台があるから、初めて長文の中でも文法が使えるようになります。
単語だけ増やしても、英文は読めない
英検対策というと、まず単語帳を思い浮かべる人も多いと思います。
もちろん、語彙力は重要です。
知らない単語ばかりなら英文は読めません。
ただ、単語を全部日本語へ置き換えれば英文が読めるわけでもありません。
たとえば一文の単語をすべて知っていても、
どれが主語なのか。
どれが述語動詞なのか。
どこまでが一つのまとまりなのか。
何が何を修飾しているのか。
そこが分からなければ、意味を正確に取れません。
だからオールウェイズでは、単語暗記と同時に、英文の語順を理解することをかなり大切にしています。
資格試験であっても、最後に必要になるのは普段の英語学習の土台です。
「何級を受けるか」も大切
英検を受けるとき、「とにかく上の級を受ければいい」とも思っていません。
現在の英語力からあまりにも離れた級を受験すると、
分からない単語だらけ。
長文もほとんど読めない。
リスニングも聞き取れない。となり、「英語は無理」という経験だけが残ることがあります。
逆に、簡単すぎる級を何度も受けても、学習の刺激にはなりにくい。
今の力より少し上。
頑張れば届く。
そのくらいの目標を置くことが大切です。
英検は、級を競うためのものではありません。
次に伸ばすための目標として使うものだと思っています。
2級以上が増えたニュースをどう見るか
今回のニュースでは、英検2級以上の取得者数が10年間で大きく増えています。
英検協会は、A2(準2級相当)やB1(2級相当)に到達する高校生が増えていることなどから、英語教育改革の成果が表れていると分析しています。
これは前向きな数字だと思います。
ただし、英検受験者や取得者が増えたことだけで、日本の高校生全体の英語力についてすべてを判断することはできません。
英検を受けていない生徒もいます。
受験する級も違います。
学校によって受験への取り組みも違います。
だから、「2級取得者が増えた=日本の英語教育はすべてうまくいっている」と単純に見るのではなく、英語を学ぶ目標の一つとして、英検を活用する生徒がかなり増えているという点に注目したいと思います。
「級」よりも、その先へ
高校生の英検受験者が142万人。
高校卒業時の2級以上取得者が約19万2千人。
これだけ英検が身近になれば、「持っていること」だけではなく、その英語力をどう使えるかが、これからさらに重要になると思います。
文章を読む。
相手の話を聞く。
自分の考えを書く。
自分の言葉で話す。
英検も、本来その力を測るためのものです。
合格証を集めることが英語学習の目的ではありません。
合格までの勉強を通して、
「前より英語が分かる」
「前より読める」
「自分の言いたいことを英語にできる」という状態を作る。
そのための目標として、英検を上手に使ってほしいと思います。
現在、2026年度第2回英検の個人申込も受付中で、英検公式サイトでは9月7日までと案内されています。
秋の学習目標として挑戦するのも一つです。
ただ、
「みんなが受けているから」
ではなく、
今の自分が何を伸ばすために受けるのか。
そこまで考えて級を選んでほしいと思います。
オールウェイズでも、英検だけのための英語ではなく、学校の定期テスト、高校・大学入試、そしてその先にも残る英語力を意識して指導していきます。



