数学
中学生向け
【平方根で急に数学が別物になる?】√がついていても、立派な「数」です
こんにちは、完全個別指導塾オールウェイズです。
お盆休みが終わり、昨日からオールウェイズも夏期講習を再開しました。
中学3年生の数学では、この夏に「平方根」を学習している生徒もいます。
今回の定期テストの範囲の学校も多いのではないでしょうか。
平方根を教えていて、毎年少し気になることがあります。
それは、√がついた瞬間に、それまでの数字とは別物のように扱ってしまう生徒が多いこと。です。
たとえば、3、5、−2、0.5なら普通に「数」として扱えるのに、√2、√3、2√5となった途端、「ルートだから何か特別な計算をしないといけない」と考えてしまう。
もちろん、平方根には平方根特有のルールがあります。
でも、まず最初に生徒へ伝えていることがあります。
「√がついていても、これは立派な数字です。」
今日は、この考え方について書いてみます。
√2も「数字」です
たとえば、√2
を見ると、何となく「数字とは別のもの」のように感じる生徒がいます。
でも√2は、ちゃんと一つの数です。
正確には、2乗すると2になる正の数を表しています。
小数で表そうとすると、1.4142135……とずっと続いていきます。
きれいな有限小数にはならないので、√2という形で表しているだけです。
つまり、√2は「まだ計算が終わっていないもの」ではありません。
√2という形で完成している一つの数です。
ここを理解すると、平方根の計算が少し見えやすくなります。
今まで習った数学が使えなくなったわけではない
平方根に入ると、生徒は新しいルールをたくさん覚えようとします。
もちろん、それも必要です。
ただ、「平方根という新しい単元に入ったから、今まで習った数学は一度リセット」ではありません。
むしろ逆です。
今まで身につけてきた計算方法の中に、√のついた数が入ってきただけです。
だから、分配法則も使えます。
たとえば、3(√2+4)なら、3×√2+3×4なので、3√2+12です。
「√2だからどうしよう」と悩む必要はありません。
√2を一つの数として見れば、3(a+4)を計算するのと考え方は同じです。
展開公式にも、そのまま入れられます
平方根を別物として見てしまうと、展開でも急に手が止まります。
たとえば、(√3+2)(√3−2)という式。
見た瞬間に、「ルートがあるから……」と考え始める生徒がいます。
でも、(a+b)(a−b)=a²−b²という、これまで習った展開公式がそのまま使えます。
a=√3、b=2と考えれば、(√3)²−2²となります。
(√3)²=3なので、3−4=−1です。
何も新しい展開方法を覚えたわけではありません。
今まで使っていた公式の「a」のところに√3が入っただけ。
これくらいの感覚でいいと思っています。
「文字が入る」のと似ている
中学1年生で文字式を初めて習ったときも、似たことが起こります。
それまで、3+5と計算していたところへ、3+xが出てくる。
最初は「xって何?」となります。
でも慣れてくると、xもある数を表していると考えられるようになります。
平方根も似ています。
√2という見慣れない形が出てきただけで、数としての基本的な扱いまで変わったわけではありません。
ここを最初に整理しておくと、その後の平方根の計算がかなり楽になります。
平方根ならではのルールはあります
「√も普通の数です」と言っても、何でも今までとまったく同じという意味ではありません。
平方根には、表し方として注意しなければならないルールがあります。
中学生には、まず大きく二つを意識してもらいます。
① √の中は、できるだけ小さくする
② 分母に√を残さない
この2つです。
これらは、平方根の計算では特に注意したいポイントです。
√の中は、できるだけ小さくする
たとえば、√12という答えが出たとします。
これも数として間違っているわけではありません。
でも、12=4×3なので、
√12
=√(4×3)
=2√3
とできます。
したがって、答えは2√3まで整理します。
同じように、
√18=3√2
√20=2√5
√50=5√2
となります。
平方根の問題では、「計算が終わった!」と思ったあとに、√の中に、まだ平方数が隠れていないかを確認する癖をつけてほしいと思います。
分母には√を残さない
もう一つが、有理化です。
たとえば、1/√2という形。
このままでも数としての意味はありますが、中学校数学では、分母に√を残さない形へ直します。
分子と分母に√2をかけて、√2/2とします。
ここでも大切なのは、「有理化という謎の特別操作」として丸暗記しないことです。
分数は、分子と分母に同じ0でない数をかけても値は変わらないという、今まで習ってきた考え方を使っています。
√2/√2=1なので、1をかけているだけです。
平方根の新しいルールの中にも、これまでの数学がちゃんとつながっています。
√8+√2は、そのままではありません
平方根を数として見るうえで、もう一つ大切な例があります。
√8+√2です。
最初は、「ルート同士だから足せない」と思うかもしれません。
でも、まず√8を整理します。
√8=2√2なので、2√2+√2になります。
ここまでくれば、2個の√2+1個の√2と考えればいい。
つまり、3√2です。
これは、2x+x=3xとほとんど同じ感覚です。
「ルートの計算」と身構えるより、√2という一つの数が何個あるのかと考えた方が分かりやすいことがあります。
√2+√3が足せない理由も同じ
逆に、√2+√3は、これ以上まとめられません。
これは、2x+3xのようなものではなく、x+yに近い状態です。
√2と√3は違う数なので、一つにまとめることができません。
これも、「ルートには足し算できない特別ルールがある」と覚えるより、同じ数のまとまりならまとめられる。違うものならまとめられない。と考えた方が、今までの数学とのつながりが見えてきます。
平方根を難しくしているのは「見た目」かもしれない
平方根が苦手な生徒を見ていると、計算そのものよりも、√という記号の見た目に圧倒されていることがあります。
√がある。
分数もある。
文字まである。
すると、「これは難しい問題だ」と思ってしまう。
でも、一つずつ見れば...
分配法則を使う。
展開公式を使う。
同類項をまとめる。
分数の性質を使う。
これまで習ってきたことの組み合わせで解ける問題がたくさんあります。
新しく覚える平方根特有のルールと、今まで使ってきた数学のルール。
この二つをごちゃ混ぜにしないことが大切です。
「新しい単元」ほど、前に習ったことへ戻る
これは平方根だけではありません。
数学は、新しい単元に入るたびに、以前の内容が出てきます。
平方根では...
素因数分解。
分配法則。
展開公式。
文字式。
分数。
指数。
こうした内容がつながっています。
そして平方根は、このあと学習する二次方程式や、さらに高校数学へもつながっていきます。
だから私は、「平方根の計算方法だけ覚えればいい」とは考えていません。
分配法則で止まったなら、分配法則へ戻る。
展開公式で止まったなら、展開へ戻る。
分数の計算で止まったなら、分数へ戻る。
今の単元で困っている原因が、今の単元にあるとは限りません。
完全個別指導だからこそ、その生徒がどこで止まっているのかを見ながら戻ります。
「ルートだから」ではなく「数だから」
平方根の計算で迷ったとき、生徒には一度こう考えてほしいと思います。
「√がついているけれど、これも数。」
3√2なら、3×√2。
2√3+5√3なら、√3が2個と5個。
展開公式の中に√2があっても、一つの数を公式へ入れているだけ。
必要以上に平方根を特別扱いしない。
そのうえで、
-
√の中はできるだけ小さくする
-
分母に√を残さない
-
平方根特有の性質を正しく使う
というルールを守る。
この順番で考えると、平方根はかなり整理しやすくなります。
数学では、新しい記号が出てくると急に難しくなったように感じます。
でも、その記号の奥にあるのは、これまで使ってきた数や計算の考え方です。
ルートのついた数も、立派な数字。
まずはそこから。
夏期講習後半も、新しい公式を覚えるだけではなく、「なぜそう計算できるのか」「以前習った何とつながっているのか」まで確認しながら進めていきます。
完全個別指導塾オールウェイズでは、現在の単元だけを繰り返すのではなく、つまずきの原因が以前の学習内容にあれば必要なところまで戻って指導しています。
平方根で急に数学が分からなくなった場合も、実は√そのものではなく、分配法則や展開、分数計算などに原因が隠れていることがあります。どこから分からなくなっているのかを一つずつ確認していきます。



