保護者向け・コラム(豆知識)

【「分かった」と「自分でできる」は違う】分かったつもりを見抜く4つの確認方法

 

こんにちは、完全個別指導塾オールウェイズです。

 

授業中に説明を終えたあと、生徒へ、「ここまで分かった?」と聞くと、多くの生徒が「分かりました」と答えます。

本人も、うそをついているわけではありません。

先生の説明を聞いている間は、確かに内容を理解できたように感じています。

 

ところが、その直後に同じ問題を一人で解いてもらうと、手が止まることがあります。

「さっきの最初は、何をするんでしたっけ?」

「この数字は、どこから出てきたんですか?」

「説明を聞いたときは分かったんですけど……」

これは珍しいことではありません。

説明を聞いて分かったことと、自分一人でできることは別です。

今日は、授業で生まれやすい「分かったつもり」と、オールウェイズで行っている理解の確認について書きます。

 

説明を聞いているときは、解けた気持ちになりやすい

先生の解説には、すでに正しい道筋があります。

問題文のどこを見るのか。
どの公式を使うのか。
何から計算するのか。
途中で何に注意するのか。

それを順番に聞けば、「なるほど」と思えます。

解説書を読んだときも同じです。

途中式が丁寧に書かれていれば、その流れを目で追うことはできます。

 

しかし、自分で問題を解くときには、誰も最初の一歩を教えてくれません。

問題を見て、「これは何を使う問題か」「どこから始めるか」「前に習った何とつながっているか」を、自分で判断する必要があります。

この判断ができなければ、説明の内容を覚えていても、自力では解けません。

 

「分かった」は学習のゴールではない

私は、生徒が「分かりました」と答えた瞬間よりも、そのあと何も見ずに解けた瞬間を大切にしています。

授業の説明が伝わったことは、もちろん一つの前進です。

 

ただし、それはゴールではありません。

学習には、少なくとも次の段階があります。

  1. 説明を聞いて意味が分かる
  2. 手順を見ながら解ける
  3. 何も見ずに一人で解ける
  4. 少し形が変わっても解ける
  5. なぜその方法を使うのか説明できる
  6. 数日後にも解ける

「分かったつもり」は、1や2の段階で止まっている状態です。

定期テストや入試では、先生の説明を横で聞きながら解くことはできません。

何も見ずに、自分で判断し、自分で答えまで進む必要があります。

だから授業でも、説明しただけで次の単元へ進まないようにしています。

 

確認① 解説を閉じて、最初から解き直す

最も分かりやすい確認方法は、解説やノートを閉じて、同じ問題をもう一度解くことです。

解説を見ながら写した答案は、きれいに完成します。

 

しかし、それだけでは自分の力になったかどうかは分かりません。

一度すべて閉じて、白紙の状態から始めます。

このとき、

  • 最初に何をするか
  • どの公式を使うか
  • 途中式をどう書くか
  • 答えまで自力で進めるか

を確認します。

途中で止まったなら、まだ理解が十分ではありません。

もう一度必要な部分だけを確認し、再び閉じて解きます。

見る、閉じる、解く。

この繰り返しが大切です。

 

確認② 数字や表現を少し変えた問題を解く

同じ問題をすぐに解き直すと、手順や答えを覚えているだけでも正解できる場合があります。

そこで、次は数字や問題の表現を少し変えます。

たとえば数学なら、数字だけを変えた類題を解く。

英語なら、主語や動詞を変えて英文を作る。

国語なら、別の文章から同じ読み方で根拠を探す。

同じ考え方を別の問題でも使えたなら、理解が一段深まったと考えられます。

反対に、数字や文章が少し変わっただけで解けなくなる場合は、問題の形を覚えていただけかもしれません。

「この問題の答えを覚えた」のではなく、この種類の問題を解く考え方を身につけたかを確認します。

 

確認③ 「なぜ?」に答えてもらう

正解していても、本当に理解しているとは限りません。

そこで、授業中にはよく、

「なぜこの式を作ったの?」

「どうしてここで割るの?」

「本文のどこが根拠?」

「なぜこの英文ではdoesを使うの?」

と聞きます。

 

この質問に自分の言葉で答えられれば、考え方まで理解できている可能性が高くなります。

 

答えは合っているけれど、

「先生がそう言ったから」

「前の問題もこうだったから」

「何となくです」

となる場合は、まだ手順だけを覚えている状態です。

もちろん、最初から完璧な説明ができる必要はありません。

短い言葉でも構わないので、自分が何を考えたのかを言葉にしてもらいます。

説明しようとすると、自分でも理解が曖昧な部分に気づきます。

 

確認④ 翌日や数日後にもう一度解く

授業直後に解けたとしても、そこで終わりではありません。

説明を聞いた直後は、内容が頭に残っています。

そのため、一人で解けたように見えても、翌日には忘れていることがあります。

本当に定着したかを確かめるには、少し時間を空けてもう一度解く必要があります。

翌日。
数日後。
一週間後。

何も見ずに解いてみます。

ここで正解できれば、短期的な記憶ではなく、自分の知識として残り始めています。

間違えた場合も、悪いことではありません。

「まだ定着していない」という課題が分かったので、もう一度確認できます。

できたことと同じくらい、課題を見つけることも大切です。

 

数学で起こる「分かったつもり」

数学では、先生の途中式を見れば納得できても、自分では最初の式を作れないことがあります。

 

たとえば方程式なら、計算手順は追えても、

  • なぜ両辺に同じ操作をするのか
  • どの項を先に整理するのか
  • 分数があるとき何から始めるのか
  • 文字で割ってよいのか

を理解していなければ、問題の形が変わったときに止まります。

 

だから、授業では答えが合った後にも、

「この変形をしてよい理由は?」

「別の方法でも解ける?」

「この文字が0だったらどうなる?」

と確認します。

 

計算手順を暗記するだけでなく、等式や文字の意味まで理解することで、初めて応用できるようになります。

 

英語で起こる「分かったつもり」

英語では、解説を聞くと、「be動詞の文だから疑問文では前に出す」「一般動詞の文だからdoを使う」と理解できます。

 

しかし、自分で英文を作る場面になると、be動詞と一般動詞が混ざってしまうことがあります。

これは、問題ごとの解き方は分かっていても、英文全体の語順が整理できていない状態です。

 

そこで、

  • 主語はどれか
  • 動詞はどれか
  • be動詞の文か、一般動詞の文か
  • 疑問文では何が前へ動くか
  • なぜその形になるか

を一つずつ確認します。

さらに、主語や動詞を変えた英文を作ってもらいます。

一つの例文を覚えただけでなく、自分で語順を組み立てられるかを見るためです。

 

国語でも「正解した」と「読めた」は違う

国語の選択問題は、何となく選んでも正解することがあります。

そのため、正解した後にも、「本文のどこを見て選んだ?」と聞きます。

根拠となる部分へ線を引き、自分の答えと本文をつなげてもらいます。

本文に根拠が見つからなければ、たまたま正解した可能性があります。

 

記述問題でも、模範解答を書き写して終わるのではなく、

  • 問いが何を求めているか
  • どの部分を根拠にしたか
  • なぜその言葉を使ったか

を確認します。

国語も、感覚だけで解くのではなく、根拠を説明できる状態を目指します。

 

「分からない」と言えることも大切

生徒の中には、先生から「分かった?」と聞かれると、反射的に「分かりました」と答える子もいます。

何度も説明してもらうのが申し訳ない。

周りより遅れていると思われたくない。

どこが分からないのか、自分でも分からない。

そうした理由もあると思います。

 

だから、一度の「分かりました」だけで判断しません。

実際に解いてもらい、途中の手の動きや説明を確認します。

そして、分からない部分が見つかったときも、「さっき分かったと言ったのに」と責める必要はありません。

説明を聞いたときには分かったつもりだった。

実際に解いてみたら、まだ曖昧なところが見つかった。

それでよいのです。

むしろ、自分で解いたからこそ課題が見つかりました。

 

「分かったつもり」を責めるのではなく、確認方法を教える

分かったつもりになること自体は、誰にでもあります。

大人でも、説明を読んだだけで理解した気になり、実際にやってみるとうまくできないことがあります。

大切なのは、「分かったつもりになるな」と注意することではありません。

本当に理解できたか、自分で確かめる方法を身につけることです。

  • 解説を閉じる
  • 何も見ずに解く
  • 少し形を変えて解く
  • 理由を説明する
  • 時間を空けてもう一度解く

この確認が習慣になれば、先生が横にいないときにも、自分で学習を進めやすくなります。

 

説明して終わりではなく、再現できるまで

昨日の記事では、全国学力・学習状況調査の分析について、結果を公表するだけでなく、実際の授業をどう変えるかが大切だと書きました。

塾の授業も同じです。

先生が分かりやすく説明した。

生徒がうなずいた。

それだけで授業が成功したとは言えません。

生徒自身が、何も見ずに再現できるか。

別の問題でも使えるか。

なぜそうなるのか説明できるか。

数日後にも覚えているか。

そこまで確認して、初めて「理解できた」と判断できます。

 

私は、生徒が「分かりました」と言った瞬間よりも、その後に一人で問題を解き切った瞬間を大切にしています。

説明を聞いて分かるところから、自分でできるところへ。

夏期講習でも、この一歩を丁寧に積み重ねていきます。

 

完全個別指導塾オールウェイズでは、解説を聞いて終わるのではなく、一人で再現できるかまで確認しながら授業を進めています。

「授業中は分かるのに、家では解けない」

「解説を読めば分かるが、テストでは手が止まる」

「同じ問題は解けても、少し変わるとできない」

そのような場合は、知識不足だけでなく、理解を確認する段階が足りていない可能性があります。現在の解き方や間違い方を見ながら、どの段階で止まっているかを整理します。