保護者向け・コラム(豆知識)
【広島の大学が動く2つのニュース】比治山・広島国際大の連携と広島大学「呉キャンパス」
こんにちは、完全個別指導塾オールウェイズです。
この2日間、広島の大学や進学を考えるうえで気になるニュースが続きました。
一つは、比治山学園と常翔学園による包括連携協定。
もう一つは、広島大学が呉市に新しいキャンパスを整備するという発表です。
内容はそれぞれ異なりますが、どちらにも共通しているのは、大学が一つの学校の中だけで教育を完結させるのではなく、ほかの学校や地域、産業とつながりながら、新しい学びの形を作ろうとしていることです。
高校や大学を選ぶとき、どうしても現在ある学部や偏差値、通学距離だけを見がちです。
しかし、大学は少しずつ変化しています。
新しい学部や大学院ができる。
キャンパスが増える。
高校と大学のつながりが強くなる。
他大学の授業や研究に触れられるようになる。
こうした動きも、これから進路を考える中学生・高校生には知っておいてほしいと思います。
比治山学園と常翔学園が包括連携協定
7月27日、学校法人比治山学園と学校法人常翔学園が包括連携協定を結びました。
比治山学園は、比治山学園中学校・高等学校、比治山大学、比治山大学短期大学部などを運営しています。
常翔学園は、大阪工業大学、摂南大学、広島国際大学、常翔学園中学校・高等学校などを運営する学校法人です。
両法人は、今後、
- 教育・研究活動の推進
- 中学校・高校・大学の連携
- 生徒・学生・教職員の交流
- 地域・社会貢献活動
などについて協力していくとしています。
大学同士の連携から、中学・高校を含む連携へ
比治山大学と広島国際大学は、今回初めてつながったわけではありません。
両大学は2012年に包括連携協定を結び、学生同士の交流や教育・研究活動に取り組んできました。
今回の協定では、その関係を大学同士だけにとどめず、中学校・高校を含む学園全体へ広げることになります。今後は、中高大の接続強化や進学制度などの整備も進められると報じられています。
ここで注意したいのは、現時点で具体的な入試制度や推薦条件がすべて発表されたわけではないということです。
「協定を結んだから、どの大学にもそのまま進学できる」という話ではありません。
ただ、中学生や高校生が大学の授業や研究に触れる機会が増えたり、高校での学びと大学進学がこれまで以上につながったりする可能性があります。
今後、どのようなプログラムや進学制度が作られるのか、引き続き確認していきたいニュースです。
学校法人同士が連携する背景
今回の協定では、「人口減少時代の新たな連携」という言葉が掲げられています。
少子化が進む中、大学がそれぞれ単独で、すべての教育や研究を充実させ続けることは簡単ではありません。
そこで、それぞれの学校が持つ強みを共有し、
- 一方の大学にない分野を補う
- 生徒や学生の学びの選択肢を増やす
- 教員や施設、研究成果を活用する
- 地域との取り組みを広げる
といった連携が、今後さらに増えていくと考えられます。
比治山大学と広島国際大学も、得意とする分野がまったく同じではありません。
だからこそ、単なる学校数の拡大ではなく、それぞれの特色を生かした連携になることを期待したいと思います。
広島大学が呉キャンパスを整備へ
もう一つのニュースは、広島大学の新しい大学院と呉キャンパスについてです。
広島大学は、「大学院海洋・海事系実践科学研究院」を2027年10月に設置することが認められたと発表しました。
新しい研究院では、
- 海洋政策・海洋ガバナンス
- 海洋利用技術
- 海洋環境・海洋資源
の3つの領域を横断し、海洋・海事・造船分野の専門人材を育成します。
入学定員は15人で、教育はすべて英語で行われ、修了者には「修士(海洋・海事科学)」の学位が授与される予定です。
呉駅近くに新しい学びの拠点
新しい呉キャンパスは、呉市が所有する呉駅西中央ビルの一部を改修して整備されます。
講義室などを設け、大学院の設置と同じ2027年10月から授業を始める予定です。
さらに、建物の中だけでなく、呉沖周辺の海域全体を「学びの場」と位置づけ、教育や研究を進めるとしています。
呉市は、造船や海事産業との関わりが深い地域です。
海洋や船舶について大学内で学ぶだけでなく、実際の海や地域産業と結びつけて研究できることには、大きな意味があると思います。
将来的には、広島大学の練習船基地の移転や、産学連携機能を備えた複合施設についても、呉市と協議を続けるとしています。
高校卒業後すぐに入る学部ではありません
今回発表された「大学院海洋・海事系実践科学研究院」は、大学を卒業した後などに進む修士課程です。
そのため、高校3年生が今回の研究院へ直接入学するわけではありません。
ただし、将来、
- 船舶や造船に関わる仕事をしたい
- 海洋環境について研究したい
- 海の資源や利用技術を学びたい
- 海洋政策や国際的なルールに関心がある
- 英語を使って専門分野を学びたい
という生徒にとっては、広島県内で考えられる将来の進路が一つ増えることになります。
大学の学部選びは、入学する4年間だけで考えるものではありません。
学部卒業後に大学院へ進むのか。
どの分野をさらに深く学べるのか。
どのような企業や研究機関とつながっているのか。
その先まで見て大学を選ぶことも大切です。
「英語を学ぶ」から「英語で学ぶ」へ
今回の研究院で特に注目したいのが、授業をすべて英語で行う点です。
英語というと、中学生や高校生は、
「単語を覚える」
「文法問題を解く」
「入試の長文を読む」
という教科として捉えがちです。
しかし、大学や大学院では、英語そのものを学ぶのではなく、英語を使って専門分野を学ぶ場面が増えていきます。
海洋、造船、環境問題は、日本だけで完結する分野ではありません。
海外の研究者と交流し、英語の論文を読み、異なる国の制度や考え方を理解する必要があります。
中学生や高校生の段階では、英語が将来どこで必要になるのか、なかなか想像しにくいと思います。
今回のニュースは、英語が入試科目であるだけでなく、専門分野を世界とつなぐ道具になることを示す例でもあります。
広島に残るか、県外へ出るかだけではない
進路相談では、
「広島県内の大学へ進むか」
「県外の大学へ出るか」
という二択で考えることがあります。
もちろん、生活費や通学、本人の希望を考えるうえで大切な視点です。
しかし、これからは大学同士の連携や新しいキャンパス、海外大学との交流などが増えることで、進路の形も少しずつ変わっていくかもしれません。
広島の大学へ進学しながら、他大学の授業を受ける。
県内で学びながら、海外の研究者と交流する。
高校と大学が連携したプログラムへ参加する。
学部では東広島市で学び、大学院では呉市の海を研究の場にする。
「どこにある大学か」だけでなく、どのような学びやつながりを持つ大学かを見る必要があります。
昔のイメージだけで大学を判断しない
大学について調べていると、
「その大学は昔からこの分野が強い」
「この学校はこういう生徒が行くところ」
という話を聞くことがあります。
保護者の方が高校生だった頃の情報が、現在もそのまま当てはまるとは限りません。
学部や学科の再編が行われる。
キャンパスが移転する。
新しい入試方式が始まる。
他大学との連携が始まる。
教員や研究分野が変わる。
大学は、思っている以上に動いています。
今回の2つのニュースも、今後の広島の大学教育や進学先の選択肢に影響していく可能性があります。
だからこそ、進路を考えるときには、大学名や偏差値だけでなく、最新の情報を確認してほしいと思います。
今すぐ志望校を決める必要はありません
中学生や高校1、2年生にとって、今回のニュースは少し先の話に感じるかもしれません。
今すぐ、海洋分野へ進むか、比治山大学や広島国際大学を目指すかを決める必要はありません。
ただ、
「大学には、こんな学び方もある」
「広島にも、こうした新しい動きがある」
と知っておくことには意味があります。
進路は、知っている選択肢の中からしか選べません。
興味を持ったニュースがあれば、大学のホームページを見る。
学部や学科を調べる。
オープンキャンパスへ行ってみる。
どの高校から進学できるのかを確認する。
その小さな行動が、自分に合う進路を見つけるきっかけになります。
2つのニュースから感じたこと
今回のニュースは、一方が学校法人同士の連携、もう一方が新しい大学院とキャンパスの整備です。
内容は違いますが、どちらも、一つの学校だけで学びを完結させない動きです。
学校と学校をつなぐ。
中学校・高校・大学をつなぐ。
大学と地域をつなぐ。
研究と産業をつなぐ。
広島と世界をつなぐ。
これから大学を選ぶ生徒には、大学名だけを見るのではなく、そこから何につながっていくのかまで見てほしいと思います。
オールウェイズでも、入試の点数や合格可能性だけでなく、その先で何を学びたいのかを一緒に考えながら、進路情報を伝えていきます。
完全個別指導塾オールウェイズでは、高校入試や大学入試の勉強だけでなく、学校・学部選びや進路についてのご相談にも対応しています。
「広島県内には、どのような大学や学部があるのか」
「興味のある分野を、どの大学で学べるのか」
「今の成績から、どのように進路を考えればよいか」
そのようなお悩みがありましたら、現在の成績や興味のある分野をお聞かせください。
安佐南区の高取北中・安西中・日浦中の学区を中心に、中学生・高校生の学習と進路選択を支えています。体験授業や進路相談については、ホームページまたは公式Instagramからお問い合わせください。



