数学

中学生向け

【中3の夏に「等式の変形」を復習する理由】二次方程式につながる大切な土台

 

こんにちは、完全個別指導塾オールウェイズです。

 

今日の中学3年生の夏期講習では、等式の変形を扱いました。

等式の変形は、中学2年生の初めに学習する内容です。

中学3年生にとっては、すでに習った内容なので、「どうして今、もう一度やるの?」と思うかもしれません。

私が毎年、夏期講習で等式の変形を確認しているのには理由があります。

一つは、夏休み明けの定期テスト範囲につながるから。

もう一つは、これから学習する二次方程式で、等式の意味を理解していないと間違えやすい問題が出てくるからです。

今回も、ただ変形の手順を覚えるのではなく、そもそも等式とは何なのか。なぜ両辺に同じことをしてよいのか。

そこから確認しました。

 

等式とは「左と右が同じ」ということ

等式とは、等号「=」を使って、左側と右側が等しいことを表した式です。

 

たとえば、3+2=5という式では、左側の「3+2」と、右側の「5」が同じ大きさになっています。

等号は「答えを書く記号」ではありません。

左辺と右辺が同じ値であることを示す記号です。

天秤をイメージすると分かりやすいと思います。

左右に同じ重さのものが載っていて、天秤がつり合っている状態が等式です。

片方だけに何かを加えれば、つり合いは崩れます。

反対に、左右へ同じものを加えれば、つり合った状態は保たれます。

 

等式は、両辺に同じことをしても成り立つ

等式には、次の性質があります。

両辺に同じ数を足しても、等式は成り立つ。

両辺から同じ数を引いても、等式は成り立つ。

両辺に同じ数を掛けても、等式は成り立つ。

両辺を同じ0ではない数で割っても、等式は成り立つ。

 

たとえば、4=4の両辺に3を足すと、4+3=4+3となり、7=7で、等しい関係は変わりません。

両辺を2倍しても、4×2=4×2となり、8=8です。

左右へ同じ操作をすれば、天秤のつり合いは保たれます。

方程式を解くときは、この性質を使って、少しずつ文字だけの形へ変形していきます。

 

絶対に気をつけたいのが「0」です

ここで、非常に大切な注意点があります。

0で割ることは絶対にできません

 

たとえば、6÷2=3が成り立つのは、2×3=6だからです。

 

では、6÷0の答えを考えてみます。

仮に答えを「□」とすると、0×□=6になる数を探すことになります。

しかし、0にはどのような数を掛けても0です。

0を何倍しても6にはなりません。

そのため、6÷0の答えは決められません。

 

0÷0の場合も問題です。

0×1=0
0×2=0
0×100=0

となり、どの数でも成り立ってしまいます。

答えを一つに決められません。

 

このように、0で割ろうとすると、割り算の定義そのものが成り立たなくなります。

だから、0で割ることはできません。

 

0を掛けると、元の情報が消えてしまう

両辺へ0を掛けると、見た目の上では等式になります。

 

たとえば、3=3の両辺へ0を掛ければ、0=0です。

しかし、3=5という間違った式に0を掛けても、0=0になってしまいます。

もともと等しくなかった式まで、同じ形になってしまうのです。

つまり、両辺へ0を掛けると、元の式が持っていた情報がすべて消えてしまいます。

 

そのため、方程式を解くための変形として、

両辺に0を掛けることは絶対にしてはいけません

等式が見かけ上成り立つことと、元の式と同じ意味を保っていることは別です。

 

では、なぜ文字で割ってはいけないのか

0で割ってはいけない理由を確認したあと、生徒にはすぐ次の質問をします。

「では、なぜ両辺を文字で割ってはいけないのでしょうか?」

 

ここでは、すぐに答えを説明しません。

一度、自分で考えてもらいます。

答えられる生徒は、文字の意味と、先ほど確認した「0で割ってはいけない理由」がつながっています。

文字は、まだ値が分かっていない数を表すために使います。

 

たとえば、xの値が分かっていない段階では、

x=5かもしれない。

x=−2かもしれない。

 

そして、x=0かもしれません。

それなのに、確認せず両辺をxで割ってしまうと、実際には0で割っている可能性があります。

 

だから、

値が0かもしれない文字で、勝手に両辺を割ってはいけません

中学校の学習では、値の分からない文字式を両辺へ掛けたり割ったりするときには、0になる可能性や条件を必ず考える必要があります。

特に、文字で割る操作は、解を失う原因になるため注意が必要です。

 

二次方程式で実際に起こる間違い

この内容を重視している理由が、二次方程式の問題です。

 

たとえば、次の方程式を考えます。

x²=9x

 

この式を見ると、「両辺にxがあるから、xで割ればよい」と考える生徒がいます。

両辺をxで割ると、x=9となります。

 

しかし、これでは答えが一つ足りません。

元の式へx=0を代入してみると、

左辺は、0²=0

右辺も、9×0=0となります。

 

つまり、x=0も元の方程式を満たしています。

ところが、最初に両辺をxで割ってしまうと、x=0という答えが消えてしまいます。

xで割るということは、暗黙のうちに、xは0ではないと決めてしまうことだからです。

 

正しくは、右辺を0にして因数分解する

この問題は、両辺をxで割るのではなく、まず右辺を0にします。

x²=9x

右辺の9xを左辺へ移すと、

x²−9x=0

左辺を因数分解して、

x(x−9)=0

となります。

 

二つの数を掛けて0になるときは、少なくともどちらか一方が0です。

 

したがって、x=0または、x−9=0なので、x=0、9が答えです。

両辺をxで割ると消えてしまったx=0も、きちんと残ります。

 

手順だけを覚えると、同じ間違いを繰り返す

二次方程式では、「まず右辺を0にする」「因数分解する」と手順だけを覚えることもできます。

しかし、なぜ両辺をxで割ってはいけないのか分からないままだと、少し形が変わった問題で同じ間違いを繰り返します。

今回確認したかったのは、単なる解き方ではありません。

  • 等号は左右が同じことを表している
  • 両辺には同じ操作をする
  • 0で割ることはできない
  • 0を掛けると元の情報が消える
  • 文字は0である可能性がある
  • 文字で割ると解を失う場合がある

という、すべての方程式につながる基本です。

等式の変形は中学2年生で学ぶ内容ですが、方程式、連立方程式、関数、二次方程式、高校数学まで長く使い続けます。

だからこそ、中学3年生の夏にもう一度確認しています。

 

「なぜしてはいけないのか」まで考える

私は、数学のルールを、「決まりだから覚えて」だけで終わらせないようにしています。

 

0で割ってはいけない。

文字で割ってはいけない。

そう聞くだけでは、問題が変わったときに判断できません。

 

なぜ0で割れないのか。

文字にはどのような値が入るのか。

その操作をすると、何が失われるのか。

理由まで理解することで、初めて自分で判断できるようになります。

今日の授業でも、0で割れない理由を確認した直後に、文字で割ってはいけない理由を考えてもらいました。

先ほど学んだことと、文字の意味を自分でつなげられるか。

ここが大切です。

夏期講習では、ただ先の内容を進めるだけではなく、こうした重要な土台も丁寧に確認していきます。

 

完全個別指導塾オールウェイズでは、公式や解き方を暗記するだけでなく、「なぜその操作をするのか」「なぜしてはいけないのか」まで確認しながら指導しています。

「計算手順は覚えているのに、少し問題が変わると解けない」

「方程式や二次方程式で同じ間違いを繰り返している」

「前の学年の内容まで戻って、数学を整理してほしい」

そのようなお悩みがありましたら、現在の学習状況をお聞かせください。

安佐南区の高取北中・安西中・日浦中の学区を中心に、塾長本人による完全個別1対1指導で、一人ひとりのつまずきを確認しています。

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