算数
小学生向け
九九は「1から順番」に覚えなくてもいい。私が覚える順を工夫したい理由
こんにちは。完全個別指導塾オールウェイズです。
今日は、小学校の算数で多くの子が通る「九九」について1つ提言をしたいと思います。
九九というと、1の段、2の段、3の段……と順番に覚えるものというイメージが強いと思います。
もちろん、そのやり方がダメだと言いたいわけではありません。
ただ、実際に教えていて思うのは、1から9まで順番に覚えることが、必ずしも一番覚えやすいとは限らないということです。
私は九九を、1→5→2→4→3→6→9→8→7の順で覚えるのは、かなり理にかなっていると思っています。
理由はシンプルです。
- 規則に気づきやすい段から入れる
- 前に覚えたことを次につなげられる
- 難しい段を最後に回せる
- 後半の段でも、すでに見たことのある答えが増えている
こう考えると、九九はただ「前から順番に全部覚えるもの」ではなく、入りやすい順で積み上げていくものとして見た方が、子どもにとってやさしいのではないかと思っています。
そもそも、1から9まで順番に覚える必要はあるのか
この考えには、私自身の経験もあります。
実は私は、クラスの中で九九を真っ先に覚え切るタイプではありませんでした。
むしろ最後まで残る側だった記憶があります。
その中で感じていたのが、「本当に1の段から順番に覚えるのが一番やりやすいのだろうか」ということでした。
私はむしろ、最後の方から数えたり、覚えやすいところから拾っていく方が入りやすかった感覚があります。
だから今、教える立場になって思うのは、九九は「1から9まで順番に言えること」そのものを目的にするのではなく、
その子が覚えやすい順で、しっかり定着することを大切にしてもいいのではないか、ということです。
まずは1の段。入口としていちばん入りやすい
1の段は、最初の入口としてとても入りやすい段です。
1×3=3
1×7=7
のように、1をかけてもそのままだからです。
最初から「覚えないといけないことがたくさんある」と感じるより、
まずは
かけ算ってこういうものなんだ
と入っていける。
入口でつまずきにくい、というのはかなり大きいです。
5の段は、1の位が0と5の繰り返しになる
5の段を早い段階で入れたい理由は、かなりはっきりしています。
それが、
答えの1の位が 5、0、5、0……と繰り返されること
です。
5×1=5
5×2=10
5×3=15
5×4=20
5×5=25
こうして見ていくと、1の位は
5、0、5、0、5……
と並びます。
ここで大事なのは、この規則が大人だけに見えているものではないということです。
実際に教えていても、初めて九九を学ぶ子でも、かなりこの規則に気づきます。
つまり、5の段は「先生が教え込むから覚えやすい」のではなく、子ども自身が規則を見つけやすい段なんです。
九九の最初でこういう段に出会えると、全部丸暗記しないといけないではなく、規則を見つけながら覚えられるという感覚を持ちやすくなります。
2の段は、2ずつ増える。そして偶数につながる
2の段もかなり入りやすい段です。
2×1=2
2×2=4
2×3=6
2×4=8
と、2ずつ増えていくのが見て分かりやすいからです。
これは、とびとびに数える感覚にもつながるので、初学の子でも入りやすいです。
そして2の段の良さは、それだけではありません。
後々、これが偶数なんだという感覚につながることも大きいです。
2、4、6、8、10……と並ぶ数は、あとから「偶数」として学んでいきます。
つまり2の段は、ただ九九の1つではなく、数の見方そのものを育てる段でもあります。
4の段は、2の段をもとに広げやすい
4の段を2の段のあとに置くのも自然です。
4の段は、2の段を土台にして考えやすいからです。
たとえば、2×4=8が分かっていれば、4×4=16も、「2の段をもとに考える」感覚で入りやすい。
もちろん、全部を理屈で説明するわけではありません。
でも子どもの中で、前に覚えたことから次へ進むという感覚ができるのは大きいです。
九九を全部バラバラの暗記として扱うのではなく、つながりのある学びとして扱えるようになります。
3の段のあとに6の段を置くのも、同じ理由
3の段まで来ると、少しずつ九九らしさが強くなってきます。
でも、そのあとに6の段を置くと、これもつなげやすいです。
6の段は、3の段をもとに考えやすいからです。
3の段を覚えたあとなら、6は3が2つ分みたいな感じだなという見方がしやすい。
これも、すべてを新しく覚えるのではなく、知っていることを足場にして、次を覚えるという流れです。
9の段は、子どもが食いつく“規則の宝庫”
9の段は後半に入れていますが、かなり教えやすい段だと思っています。
なぜかというと、9の段には、子どもが食いつく規則がいくつもあるからです。
9×1=9
9×2=18
9×3=27
9×4=36
9×5=45
9×6=54
9×7=63
9×8=72
9×9=81
この並びを見せると、けっこう反応がいいです。
まず、十の位が上から 1、2、3、4、5、6、7、8 と増えていく。
一方で、一の位は上から 9、8、7、6、5、4、3、2、1 と減っていく。
これだけでも面白いのですが、さらに
18なら 1+8=9
27なら 2+7=9
36なら 3+6=9
というように、どの答えも、それぞれの位を足すと9になるという規則もあります。
こういう話をすると、9の段はただの「難しい段」ではなく、規則を見つけて面白がれる段に変わります。
だから私は、9の段は後半の中でも、比較的入りやすい段だと思っています。
8の段・7の段は難しい。だからこそ後半でいい
ここは、かなり大事なところです。
8の段や7の段は、正直に言って難しいです。
最後まで“そのまま覚える”要素も大きいと思います。
でも、それでも後半に持ってくる意味はしっかりあります。
なぜなら、そこまでに学んできたことで、答えに既視感が生まれるからです。
たとえば、6の段や7の段で子どもが詰まりやすいところとして、
- 6×7=42
- 6×8=48
- 7×6=42
- 7×7=49
あたりがあります。
でも、この中で7×7=49以外は、それまでの段ですでに見ている答えでもあります。
42や48は、後半になって初めて出会う数字ではありません。
つまり、7の段・8の段は難しいとはいえ、全部が初めての世界ではないということです。
ここはかなり大きいです。
最初から7や8の段に入ると、子どもは知らない答えばかりに見えやすい。
でも後半まで来ていれば、見たことのある数字が多い中で、最後の抜けを埋めるという感覚に変わります。
この“既視感”があるだけでも、負担はかなり違います。
さらに、そこまでに
- 九九を覚えること自体に慣れている
- いくつも段を覚え切った成功体験がある
- 規則を見つけながら覚える感覚が育っている
という土台もできています。
だから私は、7や8の段は難しいからこそ、最初ではなく後半でよいと思っています。
だから私は、1→5→2→4→3→6→9→8→7 が良いと思っています
ここまでをまとめると、この順番の良さはかなりはっきりしています。
1
入口として入りやすい
5
1の位が0と5の繰り返しで、初学の子でも規則に気づきやすい
2
2ずつ増える分かりやすさがあり、偶数の感覚にもつながる
4
2の段を土台に広げやすい
3
本格的な九九に入りやすい
6
3の段からつなげやすい
9
規則の宝庫で、子どもが食いつきやすい
8・7
難しいが、後半なら既視感があり、全部が初見ではない
つまりこれは、ただ「簡単な順」なのではなく、規則に気づきやすく、前に覚えたことを使いやすく、最後の難所も初見だらけにしない順なんです。
九九は、「順番」も指導の一部だと思う
九九というと、どうしても覚えたか、覚えていないかだけで見られがちです。
でも実際には、どの順で入るかでもかなり変わると思っています。
得意な子は、どんな順番でも覚えます。
でも、苦手な子ほど、入り方の影響を受けます。
だから私は、九九はただ気合いで全部覚えさせるものではなく、その子が入りやすい順で、負担を減らしながら定着させるものとして考えたいです。
1から9まで順番に言えることが目的ではありません。
大切なのは、その子が、自分の頭の中に九九をしっかり入れられることです。
まとめ
九九は、必ずしも1の段から9の段まで順番に覚えなければいけないものではないと思っています。
私は、
1→5→2→4→3→6→9→8→7
の順がかなり合理的だと考えています。
- 5の段は、1の位が0と5の繰り返しで気づきやすい
- 2の段は、2ずつ増える分かりやすさと偶数につながる強さがある
- 4や6は、前に覚えた段から広げやすい
- 9は、規則を見つける面白さがある
- 7や8は難しいが、後半なら答えに既視感がある
九九は、ただの暗記ではありません。
規則に気づき、つながりを使い、少しずつ定着させていく学びでもあります。
もしお子さんが九九で苦戦しているなら、「まだ覚えていない」ではなく、その順番、本当にその子に合っているかな?と考えてみてもよいのかもしれません。



