算数

【「平均55本っておかしくない?」】小5算数をソフトバンクのホームラン数で考えた授業【安佐南区】

 

こんにちは、完全個別指導塾オールウェイズです。

 

今日は、小学5年生の算数の授業から。

この生徒はソフトバンクファンです。

ちょうど今、学校で「平均」を勉強しているので、せっかくなら教科書に出てくる架空のジュースの量やテスト結果より、本人が少しでも興味を持てるものを使おうと思い、ソフトバンクの選手たちに登場してもらいました。

もちろん、今日使った数字は実際の今季成績ではなく、計算しやすいように私が作った授業用の数字です。

例えば、栗原選手が40本、近藤選手が30本、山川選手が30本、柳田選手が20本ホームランを打ったとします。

4人の平均ホームラン数を求めるなら、(40+30+30+20)÷4=30なので、平均は30本です。

ここまでは普通の平均の問題です。

でも、今日やりたかったのは計算方法を覚えることだけではありませんでした。

 

「平均55本です」と言われたら、どう思う?

計算したあとに聞きました。

「じゃあ、4人の平均ホームラン数が55本になりました。これ合っとると思う?」

当然、おかしい。

一番多く打った栗原選手ですら40本という設定なのに、4人の平均が55本になることはありません。

そこで私が、「55本って、カブレラとかローズくらい打っとるじゃん」と言ったところ、生徒は完全にポカーンとしていました。

……通じませんでした。

私の中では「年間55本」という数字を聞くと、カブレラやローズがかなり自然に出てくるのですが、小5からすればそもそも誰なのか分からない。

そういえば、つい最近、巨人に育成で指名された中学生がインタビューでバレンティンを「昔の選手」として挙げているのを見て、「バレンティンがもう昔の選手なのか……」と少しショックを受けたばかりでした。

そして今日、カブレラとローズが全く通じないことで、世代のギャップをさらに直接食らいました。

そりゃそうですよね。私にとっての「昔の選手」と、小学生にとっての「昔の選手」は全然違います。

授業中に思わぬところで時の流れを感じました。

 

ただ、今日の本題はそこではありません。

大切なのは、平均=全部足して個数で割るという公式を覚えることだけではなく、

出てきた答えが本当にありそうな数字なのかを見ることです。

小学生の計算では、式を立てて計算して答えを書くところまでで終わりがちです。

でも、本当は最後にもう一つ、「この答え、おかしくない?」と考えてほしいんですよね。

 

平均は「だいたいこの辺」という感覚を持ってほしい

例えば今回の4人なら、20本から40本の間に数字が並んでいます。

平均が30本なら、感覚的にも納得できます。

でも55本と言われたら、計算方法を知らなくても、「いや、40本より多いじゃん」と違和感を持てるはずです。

この「違和感」が私はかなり大切だと思っています。

算数・数学が苦手な生徒を見ていると、計算結果として出てきた数字をそのまま信じてしまうことがあります。

例えば割り算をするところで掛け算をして、とんでもなく大きな数字が出ても、そのまま答えとして書いてしまう。小数点を一つ間違えても気づかない。

でも、問題文の内容を少しイメージできていれば、「さすがにこれは大きすぎる」と途中で止まれることがあります。

計算力だけではなく、数字に対する感覚も一緒に育てたいと思っています。

 

好きなものを使うと、「数字」が少し現実になる

教科書の問題が悪いわけではありません。

平均を理解するためには、身長、点数、重さ、長さなど、いろいろな題材を使います。

 

ただ、生徒によっては数字だけが並んでいると、どうしても「計算するだけの問題」になります。

今回ならソフトバンクの選手名を出した瞬間に、それぞれの数字に少し意味が出ます。

栗原選手が40本。

近藤選手が30本。

山川が30本。

柳田選手が20本。

すると「一番多いのは誰か」「一番少ないのは誰か」が自然に見えます。

そこで平均55本と言われれば、ただの「55」という数字ではなく、「いや、それはおかしい」となる。

算数を現実の感覚へ少し近づけられます。

 

一方で、今日のカブレラとローズのように、私が分かりやすいと思った例えが、生徒には全く分かりやすくないこともあります。

これも授業では大事だと思っています。

説明する側にとって分かりやすい例ではなく、その生徒にとって分かる例を使わないと意味がありません。

今日はソフトバンクの現役選手なら通じる。

カブレラとローズは通じない。

非常に分かりやすい答えが返ってきました。

 

「式が合っているか」だけを確認しない

今回の平均なら、合計÷個数という式を覚えることはもちろん必要です。

 

ただ、それだけを確認していると、本人が本当に平均の意味まで理解しているかは分かりません。

だから私は途中で、わざとおかしな数字を出したりします。

「平均55本になったんだけど」と。

そこで本人が「それはおかしい」と言えれば、少なくとも数字の関係を見ています。

逆に、何も疑わず「55本です」と受け入れたなら、もう少し平均の意味から確認した方がいい。

正解させるためだけの授業ではなく、どこまで分かっているかを見るために、わざと間違えることもあります。

 

以前のブログで、生徒に先生役をしてもらったときも同じでした。

正解していても「なんで?」と聞く。

今回は逆に、私がおかしな答えを出して「これどう思う?」と聞く。

答えそのものより、そのとき何を考えたかを見ています。

 

算数は、身の回りにかなり転がっている

平均という考え方も、学校だけで使うものではありません。

野球なら打率、得点、平均球速など数字がたくさん出てきますし、スポーツ以外でも平均点、平均気温、平均睡眠時間、平均年齢など、日常の中に普通に出てきます。

だから、小5で平均を習うときに「合計して人数で割る公式」としてだけ覚えてしまうのは少しもったいないと思います。

数字をまとめて、その集団がだいたいどのくらいなのかを見る。

そして、その数字が本当に妥当なのか考える。

そこまで分かれば、あとでデータを見るときにも使えます。

今はニュースでもSNSでも、平均という言葉をかなり見ます。

だからこそ、小学生のうちに「平均ってそういうものなんだ」という感覚を持っておいてほしいです。

 

ちなみに私は西武ファンです

ここまでソフトバンクの選手を使って授業しましたが、私は西武ファンです。

生徒がソフトバンクファンなので、そこはきちんと相手に合わせます。

完全個別ですから。

栗原選手も、近藤選手も、柳田選手も普通に例題へ登場してもらいます。

山川も登場しました。

ただし、私が山川を完全に許したわけではないことは、ここだけの話です。

授業には私情を持ち込みません。

教材には使います。

平均30本です。

 

その子に通じる例を探すのも、完全個別の面白さ

今日やったことは、特別難しい指導ではありません。

小5の平均を、好きなプロ野球チームの選手に置き換えただけです。

でも、私はこういうちょっとした置き換えを大切にしています。

「算数が苦手」と言っている子でも、実際には算数そのものが嫌いなのではなく、目の前の数字に意味を感じられていないことがあります。

だったら、少し意味を持たせてみる。

ソフトバンクが好きならソフトバンクでいい。

ゲームが好きならゲームでもいい。

お菓子でも、電車でも、好きなキャラクターでもいい。

ただし今日改めて分かったのは、先生側の「これなら伝わるだろう」も定期的にアップデートしないといけないということです。

カブレラもローズも通じない。

バレンティンですら、今の中学生から見れば「昔の選手」。

私の野球知識も、教材として使うなら現役世代へ更新していかないといけないようです。

そうやって、その子の知っているものと、新しく習う内容をつなげる。

そこから、「平均ってこういうことか」と一つ理解できれば十分です。

そして最後には、好きなものを使わなくても普通の問題を解けるようにしていく。

完全個別1対1だからこそ、全員へ同じ例えを使う必要もありません。

その子に一番入りやすい入口を探せばいいと思っています。

今日はソフトバンクのホームラン数から、平均の勉強でした。

平均について教えていたはずなのに、最後は私の方が世代間ギャップについて教えてもらった気がします。