塾長のひとりごと
【広島の県立高校で生徒226人分の個人情報を紛失】「気をつける」だけでは守れないと改めて思った
こんにちは、完全個別指導塾オールウェイズです。
今日は、広島で報じられた少し重たいニュースについて書きます。
福山市の県立高校で、修学旅行の引率中に教員がリュックサックを紛失し、その中に2年生226人分の氏名や保護者の連絡先が記載された資料、写真データなどが入ったタブレットが含まれていたことが分かりました。
10月20日時点ではリュックは見つかっておらず、個人情報が悪用された事実は確認されていないと報じられています。
個人情報を紛失したという事実は当然重いですし、対象となった生徒や保護者の方が不安になるのも当然だと思います。
ただ、ニュースを見ながら私が考えたのは、「この先生がもっと気をつければよかった」で終わらせてはいけないということでした。
これは学校だけの問題ではありません。生徒の情報を扱っている以上、私自身にもそのまま返ってくる話です。
人は、どうしてもミスをする
リュックを置き忘れる。
スマホをどこかに置いてくる。
違う相手にメールを送る。
資料を机の上に置いたままにする。
どれも「やってはいけないこと」ではありますが、人間が仕事をしている限り、ミスを完全にゼロにするのはかなり難しいと思います。
だから事故が起きたあとに、「今後は十分注意します」だけで終わると、私は少し怖いです。
もちろん注意することは必要です。
でも、疲れている日もありますし、普段と違う場所へ行けば勝手も変わります。
修学旅行のように大人数の生徒を引率していれば、普段より同時に考えなければならないことも増えるでしょう。
だから本当に考えなければならないのは、人が一度ミスをしても、大きな事故になりにくい仕組みにできないかということだと思います。
これは勉強でもよく似ています。
「次は計算ミスしないように気をつけよう」だけでは、また間違えることがあります。
だったら途中式を書く、符号に印をつける、最後に代入して確認するなど、ミスが起こりにくい手順を作る。
人間の注意力だけを当てにしないという意味では、個人情報の管理も同じなのではないでしょうか。
そもそも「持ち歩く必要がある情報か」を考える
今回のニュースを見ていて、もう一つ考えたのがこれです。
個人情報を安全に持ち歩く方法を考えることも大切ですが、その前に、
その情報を本当に持ち歩く必要があるのか。
ここから考えた方がいい場合もあります。
例えば緊急連絡のために一定の情報が必要なことは当然あります。
ただ、ある資料の中に10項目の情報が入っているとして、その場で本当に必要なのが2項目だけなら、残りの8項目まで一緒に持ち出す必要があるのかは考えられます。
デジタルなら安全、紙なら危険という単純な話でもありません。
デジタルでも端末そのものをなくすことはありますし、クラウドならアカウント管理が必要です。
一方で紙は遠隔で削除することができません。
結局、「どの情報を持つか」「誰が見られるか」「どこに保存するか」「なくしたときにどうするか」まで含めて考える必要があります。
AIやICTが学校にどんどん入ってきている今、この部分は以前より重要になっていると思います。
WAYSを作っている私にとっても、完全に他人事ではない
そして、ここは自分にもかなり刺さりました。
オールウェイズでは10月からWAYSを本格的に使い始めています。
学習時間や問題演習、学習計画、つまずき、塾長からのコメントなど、学習に関する情報が少しずつ蓄積されていきます。
私はこれをかなり大きなメリットだと思っています。
以前なら授業の中でしか見えなかったことが、自習中の記録からも分かるようになる。どこで止まったのかを次の授業につなげることもできます。
ただ、便利になるということは、守らなければならない情報も増えるということです。
「データがあればあるほどいい」とは思っていません。
必要のない情報まで集める必要はありませんし、便利そうだからという理由だけで生徒の情報を何でも保存するのは違います。
最近AIについて書くとき、「AIに何ができるか」と同じくらい「AIに何をさせないかが大事」と何度か書いてきました。
データも同じなのかもしれません。
何を集められるかではなく、何を集める必要があるのか。
そこを決めるのは人間です。
小さな塾だからこそ、情報管理も「まあ大丈夫」で済ませない
大きな学校なら数百人、数千人の情報を扱います。
オールウェイズはそれに比べればずっと小さな塾です。
でも、一人分の情報の重さが軽くなるわけではありません。
名前、学校、学年、成績、保護者の連絡先、学習記録。
場合によっては、学校へ行きづらいことや家庭から相談された内容など、かなり慎重に扱うべき情報を預かることもあります。
個人塾は距離が近いことが強みです。
私自身、生徒や保護者のことをかなり把握しています。
ただ、その「よく知っている」という強みは、そのまま「多くの情報を預かっている」という責任にもなります。
ここは結構大事だと思っています。
生徒との距離が近いからこそ雑に扱わない。
小さい塾だから大丈夫だろう、と考えない。
今回のニュースは、私自身も情報の持ち方や管理方法を定期的に見直さないといけないな、と考えるきっかけになりました。
子どもにも「個人情報」を自分事として考えてほしい
そしてこれは、大人だけの話でもありません。
中学生や高校生も、毎日のように個人情報を扱っています。
SNSに写真を載せる。
位置情報を共有する。
友達とのLINEのスクリーンショットを別の人へ送る。
オンラインサービスに本名や学校名を登録する。
生成AIに文章や画像を入力する。
本人は「個人情報を扱っている」という感覚がなくても、実際には自分や友達の情報をかなり外へ出しています。
だから情報モラルの授業で、「個人情報を書き込まないようにしましょう」と覚えるだけでは足りないと思います。
一度送ったものがどこへ行くのか。相手の写真を勝手に載せていいのか。AIへ入力した情報をどう考えるのか。
日常の中で考えられるようにする必要があります。
これからAIを使う力が必要になるのと同じくらい、AIやインターネットに渡してはいけないものを判断する力も必要になります。
誰かを責めて終わるより、次に起きにくくする
今回の件について、県教育委員会は再発防止を徹底するとしています。
もちろん、なぜ起きたのかを確認し、責任を持って対応することは必要です。
ただ私は教育に関わる立場として、こういうニュースを「こんなミスをするなんて」で終わらせるより、自分のところならどうするかまで考えた方が意味があると思っています。
学校にも塾にも、完璧な人はいません。
だからこそ、人がミスをする前提で、できるだけ事故につながりにくい仕組みを作る。
これは個人情報だけではなく、教室運営全体にも言えることなのかもしれません。
私自身も、生徒の学習記録やWAYSのデータを扱う機会が以前より増えています。
便利になった分だけ責任も増える。
これは忘れないようにしたいところです。
今回のニュースは広島の高校で起きたことですが、決して「その学校だけの話」ではありません。
生徒の情報を預かる側として、私も自分のこととして考えたいと思います。



