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【次の学習指導要領への意見募集が始まりました】「学校で何を学ぶか」は誰が決めている?

こんにちは、完全個別指導塾オールウェイズです。

 

昨日10月6日、文部科学省が次期学習指導要領に向けた「審議まとめ」について、パブリックコメントの募集を始めました。

期間は11月5日までです。

次の学習指導要領に向けて、これまで中央教育審議会で議論してきた内容がまとめられ、それについて広く国民から意見を募集する段階に入りました。

 

これ、教育関係者以外にはあまり馴染みのないニュースかもしれません。

「学習指導要領って、先生が読むやつでしょ?」くらいの感じだと思います。

でも実は、生徒たちが、何年生で何を習うか。

学校でどんな力を育てるか。

各教科で何を大切にするか。

そういった学校教育の大きな土台になるものです。

つまり、ものすごく乱暴に言えば、日本の子どもたちが学校で何を勉強するか、その設計図を作り直している最中ということです。

 

つい先日も「情報教育が増える」という記事を書きました

少し前のブログで、次の学習指導要領では情報教育をさらに充実させる方向で議論が進んでいる、という記事を書きました。

そのとき私は、「情報教育を増やすのは賛成。でも、増やすなら何を減らすのかまで考えないといけない」という話をしました。

 

AI、プログラミング、情報モラル、データ活用。

今の子どもたちに新しく必要になるものは、どんどん増えています。

でも学校の一日は24時間にはなりません。当たり前ですが(笑)

 

国語も必要。

数学も必要。

英語も必要。

理科も社会も必要。

そして新しいものも必要。

 

全部大切だからこそ、教育課程を作るのは本当に難しいと思います。

今回の審議まとめは、まさにそうした次の学校教育全体をどう組み直すかという議論の一つの区切りです。

文科省によると、次期学習指導要領に向けた基本的な方向性と、各教科などの改善方向がまとめられています。

 

「何を教えるか」より「何を残したいか」

塾で授業をしていると、私は時々、「この単元を学校で習った」という言葉に少し違和感を持つことがあります。

もちろん習っています。

 

でも、習ったことと、使えることは違います。

ちょうど9月30日のブログでも、中3生がy=ax²を学習しているのに、小学校からの図形公式を全部確認している話を書きました。

小学校で円の面積を習った。

中1で正負の数を習った。

中2で一次関数を習った。

学校のカリキュラムとしては終わっています。

でも、中3の問題を解こうとしたときに使えなければ、本人の中ではまだ十分につながっていません。

だから私は、学習指導要領を考えるときも、「何個の単元を扱うか」だけではなく、学校を卒業したときに何が残っていてほしいかという視点がすごく大切だと思っています。

 

「全部やった結果、全部薄い」は避けたい

教育では、新しい課題が出るたびに、「学校で教えた方がいい」という話になりがちです。

 

金融教育も必要。

情報教育も必要。

AIリテラシーも必要。

防災も必要。

キャリア教育も必要。

もちろん、どれも大切です。

 

私自身も、「これは学校で教えた方がいいな」と思うことはかなりあります。

でも、毎回追加していたら限界があります。

だから個人的には、何を加えるかと同時に、何を整理するかという議論も避けられないと思っています。

内容を減らすことは、「教育を弱くすること」とは限りません。

減らしてできた時間で、重要な内容をもっと深く考えられるなら、そちらの方が子どもの中に残る可能性もあります。

ただし逆に、内容だけそのままで授業時間だけ減れば、授業速度が上がり、理解に時間のかかる生徒がさらに苦しくなります。

ここはかなり慎重に考えてほしいところです。

 

塾で見ていると「速く進むこと」が正解ではない

例えば数学。

 

授業で公式を説明する。

例題を一問解く。

生徒が「分かりました」と言う。

次へ行く。

これならものすごく速く進めます。

 

でも私は、そこで昨日の記事のように、「じゃあ、なんでそうなるの?」と聞くことがあります。

すると止まる。

そこでさらに10分使います。

授業進度だけ見れば、遅くなります。

 

でも、その10分を使った方が、あとで本人が一人で解ける可能性は高くなる。教育には、こういう時間が必要だと思います。

考える。

説明する。

間違える。

やり直す。

一見すると「何も進んでいない時間」ですが、実はかなり大切です。

学習指導要領を作るときにも、私はそういう余白をどこまで作れるのかが気になります。

 

パブリックコメントという仕組みがあるのも面白い

そして今回、私がもう一つ面白いと思ったのが、この段階で国民から意見を募集していることです。

文部科学省は10月6日から11月5日まで、今回の「審議まとめ」に対するパブリックコメントを実施しています。

もちろん、意見を書けばその通りに学習指導要領が変わるという話ではありません。

専門家の議論もありますし、学校現場の事情もあります。

 

でも、「日本の教育は、偉い人がどこかで全部決めていて私たちには関係ない」というわけでもない。

こういう段階があること自体、もっと知られてもいいと思います。

私も教育現場にいる一人として、今回の審議まとめはきちんと読んでみようと思っています。

……ただ、資料がものすごい量なので、読み始める前から若干ひるんでいます(笑)

文科省の公表ページでは、審議まとめだけで4分冊です。

まあ、少しずつ読みます。

 

保護者や生徒の感覚も、本当は大事だと思う

制度を考える人には、制度全体を見る役割があります。

学校の先生には学校現場があります。

私には塾で生徒を見ている立場があります。

そして保護者には家庭で見えている姿があります。

生徒本人には、実際に毎日授業を受けている感覚があります。

それぞれ見えているものが違います。

 

例えば、

学校の授業速度が速すぎる。

逆に簡単すぎて退屈。

宿題が多すぎる。

情報教育をもっとやってほしい。

AIを使いたい。

いや、使いすぎが怖い。

同じ学校教育を見ていても、立場によって全然違う意見が出ます。

だから教育を考えるとき、どれか一つだけが絶対に正しいとは思いません。

 

次の学習指導要領で「何を学ぶか」は、生徒たちの未来に直結する

今オールウェイズにいる中学生が、今回の改訂された教育をどこまで直接受けるかは学年によって違います。

でも、小学生やこれから学校へ入る子どもたちには確実に関わってきます。

 

さらに重要なのは、今回議論されていることが、AI、情報教育、探究、各教科の内容、学び方、評価。

こうしたこれからの教育そのものに関係していることです。

昨日の記事では、「AIと人間の役割分担」を書きました。

今日1本目では、「AIを使ってできたことを、自分の力と勘違いしないこと」を書きました。

そして学習指導要領も、そういう社会の変化を無視して作ることはできません。

学校教育そのものが、大きな転換点にいるんだと思います。

 

何を新しくするかと同じくらい、何を変えないか

新しい教育。

新しい技術。

新しい学習指導要領。

 

そう聞くと、「これからは全部変わる」という印象を持ちます。

でも私は、新しくなるときほど、何を変えないかも大事だと思っています。

 

自分で読む。

自分で考える。

計算する。

分からなければ調べる。

相手に説明する。

間違えたら考え直す。

こういうことは、AIがある時代でも必要です。

むしろ、情報が簡単に手に入るようになったからこそ重要になるものもあります。

次の学習指導要領が最終的にどんな形になるのか。

教育に関わる人間として、これはかなり気になります。

学校で何を教えるか。

何を減らすか。

何を新しく入れるか。

そして、最終的に子どもたちへ何を残したいのか。

私も4分冊と格闘しながら(笑)、追いかけていきたいと思います。