保護者向け・コラム(豆知識)
勉強法
【高校生の7割超がAIの助言を行動に】AIに相談しても、最後に決めるのは自分
こんにちは、完全個別指導塾オールウェイズです。
今日、教育ニュースを見ていて、かなり気になる調査がありました。
高校生が生成AIを「調べ物をする道具」としてだけではなく、勉強や進路、人間関係などを相談する相手として使っているというものです。
塾選ジャーナルが全国の高校生103人を対象に行った調査では、AIへ相談した経験のある内容として最も多かったのが「勉強法や学習計画、進路に関する悩み」で67.0%でした。
また、AIの助言を「そのまま実行した」「一部実行した」を合わせると72.8%に上っています。
ただ、私が一番気になった数字はそこではありません。
75.7%の高校生が、AIからの回答について「自分にとって都合が良すぎる」と感じたことがあると回答しています。
それでも、そのように感じた人のうち74.0%は、都合が良すぎると思いながらも回答を受け入れた経験があるそうです。
AIが身近になった今、「AIを使うかどうか」だけを議論している段階から、もう一歩先へ進んでいるのだと思います。
これから考えなければならないのは、AIからもらった答えや助言を、自分がどう判断するかです。
AIに相談すること自体は悪いことではない
私は、勉強や進路についてAIに相談すること自体は悪いと思っていません。むしろ使い方によっては、かなり便利です。
「この成績から志望校に向けて、何を優先して勉強すればいい?」
「数学の勉強計画を立てたいけれど、どんな順番がいい?」
「英単語を毎日続けるには、どんな方法がある?」
こうした相談をすると、自分では思いつかなかった選択肢を出してくれることがあります。
人に相談するときには、「こんなこと聞いていいかな」「怒られないかな」と考えることもあります。その点、AIは何度聞いても嫌な顔をしませんし、夜中でもすぐ返事をします。
今回の調査でも、AIへ相談する理由として最も多かったのは「相手に気を遣わずに相談できるから」の61.3%でした。「すぐに返答・解決策が欲しいから」も49.5%となっています。
高校生が相談相手として使いたくなる理由は、よく分かります。
ただし、AIは「その生徒の人生」を知っているわけではない
ここは忘れてはいけません。
AIは、入力された情報をもとに答えます。でも、その生徒のすべてを知っているわけではありません。
成績表の数字だけでは分からないことがあります。
どの教科なら粘って勉強できるのか、本人がどんな学校生活を送りたいのか、家庭からどこまで通えるのか、学校でどんな人間関係があるのか、実際の授業ではどこにつまずいているのか。
進路相談なら、なおさらです。
たとえば「この高校とこの高校、どちらがいい?」と聞かれても、本当は偏差値だけでは決められません。校風、通学時間、部活動、大学進学、本人の性格、学校で何をしたいかまで考える必要があります。
AIは選択肢を整理することはできます。
でも、その選択肢の中でどれが自分に合うのかを最終的に決めるのは本人です。
「AIが言ったから」は理由にならない
これは勉強でも同じです。
AIに、「今日は数学を2時間、英語を1時間、理科を1時間やりましょう」と言われたとします。
その計画が一般的には良さそうでも、その生徒に合っているとは限りません。
数学を30分続けただけで集中が切れる生徒もいれば、逆に数学なら2時間続けられる生徒もいます。
学校ワークの提出が目前なのか、英単語が全く覚えられていないのか、定期テストなのか受験なのかでも優先順位は変わります。
AIが作った計画は、完成した計画ではなく、たたき台くらいに考えるのがちょうどよいと思います。
「この順番は自分に合うかな」「本当にこの量を毎日できるかな」「今の自分の課題と合っているかな」と、一度自分で考える必要があります。
都合のいい答えほど、一度疑ってみる
今回の調査で特に興味深いのが、高校生自身も「AIが自分に都合のいいことを言っている」と気づいている点です。
これは大人でも気をつけなければならないと思います。
たとえば、「今日は疲れているので勉強しなくてもいいですよね?」という聞き方をしたら、AIはその状況を尊重した回答をするかもしれません。
もちろん、本当に休むべき日もあります。
でも、本当は自分でも「今日はできるのに、やりたくないだけ」と分かっているのに、自分を肯定してくれる答えを探して質問していることもあります。
人間は、自分が欲しい答えを探してしまうことがあります。
だからAIに相談するときこそ、「自分と反対の立場からも考えて」と聞いてみるのも一つです。
「この計画の問題点を教えて」
「この判断をしない方がいい理由も挙げて」
「私の考えに甘いところがあれば指摘して」
こうした使い方をすると、AIは自分の考えを肯定してくれるだけの存在ではなく、考え直すための材料になります。
「自分で考えてからAI」も大切にしたい
ちょうど今日、もう一つAIと子どもに関する調査が出ていました。
アイデアを考えるときにAIを使う子どもは52.8%で、そのうち「自分で考えてから使う」が41.1%、「最初から使う」が11.7%だったというものです。
私は、この「自分で考えてから使う」という順番を勉強でも大切にしたいと思っています。
たとえば数学の問題なら、いきなりAIへ写真を送る前に一度自分で考える。分かっている条件を書き、途中式を書き、どこで止まったかを確認してからAIへ質問する。
作文なら、自分の意見を一つも考えずに「アイデアを10個出して」と頼むのではなく、まず自分で2つくらい考える。その後でAIの案と比較する。
進路なら、自分が高校で何をしたいのかを一度考えてから、「この条件に合いそうな選択肢を整理して」と頼む。
そうすると、AIの答えと自分の考えを比較できます。
最初から全部AIへ聞いてしまうと、自分が何を考えていたのかさえ分からなくなることがあります。
AIに「決めてもらう」のではなく、選択肢を増やしてもらう
私は、AIへの相談でかなり重要なのがこの考え方だと思っています。
「どっちにすればいい?」ではなく、「それぞれのメリットとデメリットを整理して」と聞く。
「何を勉強すればいい?」ではなく、「考えられる勉強方法を3つ出して、それぞれ向いている人を教えて」と聞く。
「この高校を受けるべき?」ではなく、「この高校を考えるときに確認しておいた方がいい項目を教えて」と聞く。
AIから決断をもらうのではなく、決断するための材料をもらう。
これなら、AIの便利さを生かしながら、自分で考える部分も残せます。
進路については、必ず一次情報を確認する
特に進路についてAIへ相談するときは注意が必要です。
入試制度、募集人数、出願条件、推薦基準、試験日程、学費、学部・学科などは変更されることがあります。
AIが古い情報をもとに答える可能性もあります。
だから、AIから、「この大学では〇〇方式があります」と教えてもらったら、最後は大学の公式サイトを見る。
高校入試について聞いたなら、教育委員会や学校の募集要項を見る。
AIは情報を探す入口として使ってもいい。でも、進路を左右する情報は、必ず元の資料へ戻る。
これはオールウェイズでもかなり意識しています。
私自身もAIをたくさん使いますが、入試制度や日程、料金などを扱うときは公式情報を確認します。
便利だからこそ、最後の確認を人間がする。
これが必要です。
AIの学習計画が続かなかったら、それもデータになる
今回の調査では、AIの助言を実行した生徒の84.2%が、何らかの「うまくいった経験」があると答えています。
一方で、39.0%は「うまくいかなかった経験」もあると回答しています。
これは当然だと思います。
たとえばAIに勉強計画を作ってもらい、3日で続かなくなった。
そこで、「AIの計画がダメだった」で終わる必要はありません。
なぜ続かなかったのかを見る。
一日の量が多すぎたのか。休憩の取り方が合わなかったのか。苦手教科を最初に置いたことで動けなかったのか。そもそも開始時間が現実的ではなかったのか。
それをAIへ伝えて、「3日やってみたけれど、こういう理由で続かなかった。修正するならどうすればいい?」と相談する。
この使い方なら、かなり役立ちます。
AIの計画に自分を無理やり合わせるのではなく、実際の自分の行動を見ながら計画を修正することが大切です。
人にしか分からないこともある
AIはいつでも相談できる。
気を遣わなくていい。
何度同じことを聞いても大丈夫。
これは大きなメリットです。
ただ、人に相談する意味までなくなるわけではありません。
学校の先生なら、その学校で実際に見てきた生徒の様子があります。
保護者なら、長く一緒に生活してきたから分かる部分があります。
塾なら、普段どんな問題で止まり、どんなときに集中でき、どのくらいの量なら続けられるかを見ることができます。
AIの画面には書かれていない情報を、人は持っています。
だから私は、AIか人かという二択にする必要はないと思っています。
まずAIに相談して考えを整理する。
そのうえで大切なことは人にも相談する。
人から言われたことも絶対視せず、自分で考える。
最後は本人が決める。
それでいいのではないでしょうか。
保護者がAI利用を全部把握することは難しい
今回の結果を見ると、これから保護者の方にとっても少し悩ましい時代になると思います。
子どもがAIへ何を相談しているのか、すべて確認することは現実的ではありません。
そして高校生になれば、何でも親に相談するわけでもありません。
だから、「AIに相談しないで」と禁止するより、AIの答えをどう扱うかを普段から話しておく方が大切だと思います。
たとえば、「AIに聞いたら、どんな答えだった?」くらいからでもいい。
そこで、「じゃあ自分はどう思う?」「その情報はどこから来てる?」「ほかの考え方も聞いてみた?」と会話する。
AIを使ったことを怒られると思えば、生徒は隠します。
AIを使ったうえで一緒に考えられる環境の方が、危ない使い方にも気づきやすくなると思います。
ウェイズ先生でも「答えを決めるAI」にはしない
オールウェイズで開発している学習支援AI「ウェイズ先生」も、基本的な考え方は同じです。
問題を解いている生徒に対して、いきなり答えを決めて渡すのではありません。
「どこまでは分かっている?」
「まず何が使えそう?」
「この条件から何が分かる?」と問いかけます。
必要ならヒントを出します。
でも、最後は生徒自身が答えを出す。
AIだけでは判断しにくい内容は、塾長へつなぐ。
AIの強みと、人間の強みを分けて使いたいと思っています。
これから必要なのは「AIを疑う力」だけでもない
AI教育の話になると、「AIは間違うから信用するな」という話になりがちです。
確かに、間違いを疑う力は必要です。
でも、それだけでは少し足りません。
正しい回答だったとしても、それを自分に当てはめてよいかを考える力も必要です。
一般的に良い勉強法でも、自分には合わないかもしれない。
一般的に良い進路でも、自分が行きたい場所とは違うかもしれない。
論理的には正しい助言でも、現実の人間関係では別の配慮が必要かもしれない。
だから、これから必要なのは、
「AIの答えが正しいか」を判断することと、「自分はその答えを採用するか」を判断すること。
この二つだと思います。
AIに相談していい。でも人生のハンドルは渡さない
今日の調査は103人を対象としたインターネット調査なので、この数字だけで「高校生全体の7割以上がAIに人生を決めてもらっている」と考えるのは適切ではありません。
ただ、高校生にとってAIが単なる検索ツールではなく、相談相手の一つになり始めていることは、とても興味深い変化です。
私は、AIに相談することを悪いことだとは思いません。
むしろ、使えばいい。
勉強方法を聞く。
進路を整理する。
自分では気づかなかった考え方を出してもらう。
自分の計画の弱点を指摘してもらう。
ただし、最後の決定までAIへ渡さない。
AIは助手席に座ってもらうくらいがちょうどいいと思います。
地図を見てもらう。
選択肢を教えてもらう。
「こっちの道もありますよ」と言ってもらう。
でも、ハンドルを握るのは自分です。
AIがどれだけ便利になっても、自分の進路も、勉強も、これからの人生も、最後に選ぶのは自分自身です。
オールウェイズでも、AIを遠ざけるのではなく、AIを使いながら自分で考え、自分で決められる生徒を育てることを大切にしていきたいと思います。
安佐南区の完全個別指導塾オールウェイズでは、勉強方法や進路についても、こちらから一方的に答えを決めるのではなく、生徒本人の考えを聞きながら一緒に整理しています。
AIも人間の先生も、最終的には生徒自身が考え、選択するための助けになる存在でありたいと考えています。



